シリーズ「変わるデザイン、変わる〇〇〇」は、近年ものすごい勢いで進化するテクノロジーや価値観、社会課題の変化にともない、ある分野の「デザイン」の役割やプロセスがどのように変化しているかを探る企画です。
記事では、最新の素材やプロダクト、空間やサービス、そして私たちの暮らしの中に起きている変化を広く紹介し、その背景にある「デザインの視点」を読者に届けます。
今回は「変わるデザイン、変わる椅子」として、椅子をテーマに各ブランドの製品を紹介。担当者のみなさんより、「近年の商品の変化」として、社会情勢やニーズをまじえた変化についてもコメントをいただいきました。
※商品はブランドの五十音順に掲載しています
イトーキ「vertebra03 WOOD」
木の温もりにイトーキ独自のエルゴノミクスを搭載した「vertebra03 WOOD(バーテブラゼロサンウッド)」。「2024年度グッドデザイン賞」で特に高く評価された製品に贈られる「グッドデザイン・ベスト100」にも選出された本製品は、国産広葉樹であるクリの無垢材を切削して成形した背とシートの製作はカリモク家具が担当。

背と座のラインナップは、クリア・ブラック・グリーンの全3色。従来より展開するオリジナル2種14色と「Knoll Textiles」の2種14色の計28色のファブリックとの組み合わせも自由自在
木工家具をつくり続けてきた同社のノウハウと、イトーキのもつ人間工学やシートトレーサーなどを活用した設計技術により、木材の質感を活かしながら、執務姿勢に追従する最適な背とシートの形状を実現しました。着座位置を安定させるための座面のノンスリップ加工や、木目を残しながら繊細なカラーリングを表現する塗装技術なども特徴です。
素材には、森林保全や林業地域の活性化に繋がる国産広葉樹であるクリの木を使用。小巾にカットしたクリの無垢材を接着し、削り出すことで背と座を有機的に成形しています。また、座面裏にはフィンガージョイントと呼ばれる技術を採用。できるだけ無駄なく材料を使う手法を選ぶことで、カリモク家具の掲げる「森との共存」というメッセージを体現する、サステナブルなものづくりを目指しました。ちなみに、クリの木はタンニンの含有量が高く、耐朽性や保存性、耐湿性に優れた特長を持っています。
従来のクッションタイプとは異なる点は、面で身体を支えるよう、背と座を緩やかなアールを描く3次元形状に仕上げたこと。カリモク家具が培ってきた木材加工技術と知見に、イトーキのチェア設計のノウハウや体圧測定やシートトレーサーといったデジタル技術を融合させることで、ベストな面形状を導き出しました。また、座面にノンスリップ加工を施し、適度なグリップ感を持たせることで、身体の動きにスムーズに追従する仕様に。ユーザーを自然と正しい着座姿勢に導き、快適な座り心地を約束します。
天然木ならではの木目や節といった個体差を美しさと捉えながらも、プロダクトとして求められる色の精度を実現するため、イトーキのCMF担当者とカリモク家具の技術者がコラボレーション。プロダクトデザイナーの柴田文江さんの思い描く、空間に馴染みながらも、多様な働き方に個性と彩りを与える色をカタチにしました。
【近年の商品の変化について】
イトーキは一層環境に配慮した製品群の拡充を図るため、先進的な素材や技術を使用した製品を数多く開発しています。イトーキグループのESG戦略「環境」における重点テーマの一つ「資源循環促進」を進化、発展させていくため、「環境配慮型基準“Eco Level”」では環境配慮のためにイトーキが大切にしている「温室効果ガスを減らす」「少ない資源でつくる/リサイクルする」などの5つの指針を設けています。
この5つの指針に適合し、新基準の最高位であるLevel Goldに認定した10シリーズの製品を公開しており、vertebra03 WOODはそのひとつです。これらは5つの配慮基準を満たしたうえで、CFP(カーボンフットプリント)の算定を行い、さらに環境に配慮した先進的な素材や技術を使って製品化された等の基準に適合したものとして社内の評価で対象に認定されています。
1890年創業。ミッションステートメントに『明日の「働く」を、デザインする。』を掲げ、オフィス家具の製造販売、オフィス空間デザイン、働き方コンサルティング、オフィスデータ分析サービスのほか、在宅ワークや家庭学習用家具、公共施設や物流施設向け機器など、“Tech×Design based on PEOPLE”を強みに、さまざまな「空間」「環境」「場」づくりをサポートしている。
https://www.itoki.jp/
■vertebra03 WOOD
サイズ:5本脚 W560×D515×H775~890mm、4本脚回転 W560×D515×H810mm
カラー(バリエーション):背と座はクリア・ブラック・グリーンの全3色、ファブリックは2種14色の計28色
価格(税込):128,900円
https://vertebra.jp/lineup/vertebra-wood/
ヴィトラ「ティプ トン RE」
エドワード・バーバーとジェイ・オズガビーによって2011年にデザインされた「ティプ トン」は、デザイン面、機能面どちらにおいても革新的なチェアです。
人間工学に基づき、体重移動に合わせて座面を前傾することができます。「ティプ トン RE(ティプ トン リ)」は、ティプトンのデザインをそのままに、環境に配慮した再生プラスチックでつくられたモデルです。カラーは、素材そのままのダークグレーで、細かい斑点が見られるのが特徴です。

環境に配慮した再生プラスチックでつくられており、100%リサイクル可能。4脚までスタッキングができます。
【近年の商品の変化について】
軽量で機能性に優れたプラスチック家具の名作を生み出してきたヴィトラは、近年、素材を再生プラスチックへと段階的に移行しています。家庭から回収された使用済みプラスチック容器を原料とする再生プラスチックは、石油由来のプラスチックと比べてCO2排出量を約54%削減し、エネルギー消費も大幅に抑えることができます。この再生プラスチックにガラス繊維を組み合わせることで、強度と耐久性を備えた「ティプ トン RE」が誕生しました。
ヴィトラが使用するのは、家庭で消費された後に回収・再利用されるポストコンシューマープラスチックです。これは、ドイツの「Yellow Bag」システムによって回収された包装材を再加工したもので、循環型素材の活用を通じて、環境負荷の低減に取り組んでいます。
1950年創業のスイスの家具メーカー。世界的なデザイナーの創造性と自社の開発力によって製品とコンセプトを生み出し、そのデザインの力を通してホーム、オフィス、公共スペースの空間の質の向上に貢献。またヴィトラキャンパスにおける建築やヴィトラデザインミュージアムでの展示、ワークショップ、出版物でも知られ、多様な側面を有している。
https://www.vitra.com/ja-jp/home
■ティプ トン RE
サイズ:幅509mm、奥行555mm、高さ786mm、座面の高さ462mm
カラー(バリエーション):8色
価格(税込):47,300円 ※2025年12月時点
https://store.vitra.co.jp/products/tip-ton-re?_pos=1&_sid=46f4e2ede&_ss=r&variant=48110696759533
カリモク家具「CANTINETTA」
カリモク家具のメインブランドであるkarimokuより、2025年6月に発売された「CANTINETTA」は、イタリア在住のデザイナー武内経至が家族と過ごす幸せな時間への想いを込めてデザインした、長く愛用できる家具シリーズです。
デザインの原点となったのは、2015年に廃番となったものの、現在もカリモク家具の工場食堂で使われ続けているチェア「CS1105」です。その力強く安心感のある太めのシルエットと、シンプルで愛らしい佇まいから着想を得て、現代の住環境に調和するかたちへと再構築されました。

丸みを帯びた背もたれやアームが特徴で、触れるたびに木の質感を感じられる点も魅力です。座り心地については、背もたれを構成する2枚の板の位置や角度を幾度も検証し、幅広い体格の人にフィットする背当たりを実現しています。また、角を丁寧に丸く仕上げることで、姿勢を崩した際にも背中に違和感が生じにくい設計としました。有機的なカーブを描く脚やアームは、視覚的にも柔らかな印象を与えます。
【近年の商品の変化について】
現代日本のダイニング空間が、和と洋の要素を併せ持つ独自のスタイルへと変化しているという武内の考察をもとに、空間に過度な主張をせず自然に溶け込む、ニュートラルなデザインを目指して開発されました。
イタリア語で「小さな食堂」を意味する『CANTINETTA』は、縮小傾向にある住環境に対応したコンパクトなサイズ設計が特徴です。チェアはアーム付きとアームレスの2種類を展開し、座面は張座、板座、ペーパーコードの3タイプから選択可能。
さらに、近年のナチュラル・オーガニック志向を反映し、塗装色にも工夫を凝らしました。2024年に採用された「コットンナチュラル」は、木の自然な風合いをウレタン塗装で再現したカラーです。加えて、新色「カンティネッタグリーン」を開発し、和洋どちらの空間にも調和するアクセントとして、多様な暮らしに寄り添う提案をおこなっています。
カリモク家具は、愛知県に本社を置く家具メーカー。1940年の創業当初は木工加工を中心に事業を展開し、1960年代から本格的に自社家具の製造・販売を開始した。高品質な木材と丁寧なものづくりに定評があり、「100歳の木を使うなら、その年輪にふさわしい家具をつくりたい」という理念のもと、耐久性と使い心地を重視した製品を生み出している。近年は「カリモク60」や「カリモクニュースタンダード」など、現代のライフスタイルに合ったデザインにも力を入れ、国内外から高い評価を受けている。
■CANTINETTA
サイズ:W470×D505×H750(アームなし)/W540×D505×H750(アーム付き)
シート:張り込み(SH440)、板座(SH415)、ペーパーコード(SH420)
素材:ブナ
価格(税込):69,300円~162,800円
https://www.karimoku.co.jp/index.cgi?mode=press_detail&key=131
コクヨ「Hemming」
コロナ禍を経て、オフィスは「集まる場」や「コミュニケーションの場」としての役割を再認識されるようになりました。その結果、オフィスに飲食やラウンジの機能を織り交ぜるシーンが増えてきています。しかし、こうした空間に置かれるチェアーは執務空間に比べて、メンテナンス性やコストで選ばれることが多く、座り心地や使い勝手に関しては課題がありました。
そこでコクヨは、デザインやメンテナンス性と、圧倒的な使い心地を兼ね備えたチェアーを実現するため、年齢・性別・体格・障がいの有無など、多様な特性を持つユーザーと共に開発する、インクルーシブワークショップを実施。ユーザーと共に、「引く」「座る」「立ち上がる」という基本動作を改めて検証し、そこで得られたフィードバックをもとに「Hemming」をつくり上げました。

片手でも引きやすいハンドルデザインや、身体を横に向けやすく立ち上がりやすい座面形状など、シンプルなチェアーながら、細部まで基本性能を磨き上げています。
【近年の商品の変化について】
これまでコクヨの商品開発で一貫して守ってきたのは、「圧倒的なユーザー起点」です。120年前の創業当初から、「良品廉価」に徹した商品づくりをおこなってきました。ただ、多様な背景を持つ人々と共に働くことが身近になっている時代に、改めて“誰にとっても使い心地のいいイス”とは何か?という問いに向き合い、ユーザーとともにつくり上げたのが「Hemming」です。
ワークショップをおこない、「椅子を引いて座り、立ち上がって元の位置に戻す」という一連の動作を観察した結果、手足に不自由のある方にとってイスは軽ければ軽いほどいいのではなく、ある程度重量がある方がコントロールしやすいということや、無意識にイスのいろいろな部分を掴んだり触ったりしていることなど、これまで気づかなかった視点を得ることができました。カフェチェアーの標準的な重量は7キロ前後ですが、それを「操作する」という観点はこれまでほとんど考慮されていませんでした。
そこで、例え手が変形していていたり、握力が弱いとしても、指を引っ掛けることで動かしやすいデザインにできないかという考えから「Hemming」が完成。ワークショップを通じてニーズを再発見することで、誰にとっても使い心地のよいイスを実現し、製品の細部への配慮がこれまでよりも格段に向上してきているところが、コクヨの商品開発の進化したポイントといえます。
1905年創業。文具やオフィス向け家具などの製造・販売、オフィスの空間デザインを通じて、時代ごとのお客様の課題に向きあってきました。2021年に自らの社会における役割を「WORK & LIFE STYLE Company」と再定義し、「働く」「学ぶ・暮らす」のドメインで文具や家具だけにとらわれない豊かな生き方を創造する企業となることを目指しています。
https://www.kokuyo.com/
■Hemming
バリエーション:5色
発売時期:2025年2月下旬
メーカー希望小売価格(税抜):Lシェルタイプ38,000円~、CUPシェルタイプ43,000円~
https://kokuyo.jp/hemming/
コクヨ「ingCloud」
「ing」シリーズは、コクヨの「共感共創」の価値づくりを体現するプロダクトです。コクヨは座りすぎに対する健康への影響を、座ること自体に問題があるのではなく、「同じ姿勢を続けることが負担」と考え、2017年から座面が360度グライディングするオフィスチェアー「ing」シリーズを展開しています。
「ing」シリーズ第3弾となる「ingCloud」は、8年間におよぶ開発プロセスの中で、エンジニアやプログラマーなどのデジタルワーカーへのヒアリングや行動観察を徹底的におこないました。

作業の様子を撮影して観察したところ、同じ姿勢がずっと続いているように見えて、実際はごくわずかに身体が動いていることに気が付き、その微細な動きに追随できれば、身体への負担も軽減できるのではないかと考えました。そこで、「身体を預けても負担が少ない」ことを重視し、重力を利用して体圧を流動的に分散させ、あらゆる姿勢にフィットするコクヨ独自の「3Dウルトラオートフィット機構」を開発。
また、「集中の邪魔になるノイズを減らしたい」というユーザーの声から、調整レバーが多すぎたり、デザインがごつごつしていたりすると、それが集中力を削ぐ要因になると考え、「ingCloud」は調整機能を最小限に抑え、シンプルで直感的に使えるデザインを追求しました。
【近年の商品の変化について】
製品開発において一貫して守ってきた「変わらない点」は、ユーザー起点のものづくりです。常に使う人の身体、動作、心理に寄り添い、「共感共創のものづくり」で心地よい体験の提供を追求しています。
一方、「進化させた点」は、時代とユーザーの変化への対応です。テクノロジー進化に伴う働き方の変化により、オフィス家具は固定席からフリーアドレス・在宅勤務向けへ変化しました。また、仕事がクリエイティビティ重視へシフトしたことで、オフィス家具はリラックスできるリビングライクなデザインへと進化しています。
特にingCloudでは、長時間デスクに向かうエンジニアやクリエイターに対し、ディープインタビューや観察を通した人間工学を超えたアプローチで、身体への負担を圧倒的に低減する心地よい座り心地を追求し進化させました。
「ingCloud」という名称は、その名の通り“雲(Cloud)”のような軽やかで包み込む座り心地に由来しています。働く人の身体の自由な動きをサポートする「ing」シリーズの最新モデルです。重力を利用して体圧を流動的に分散させ、あらゆる姿勢にフィットするコクヨ独自の「3Dウルトラオートフィット機構」を搭載し、いかなる姿勢でも身体と一体化し、かつてない没入感を実現し「すわる」より「まとう」に近い新感覚のオフィスチェアーです。
1905年創業のコクヨは、文具やオフィス向け家具などの製造・販売、オフィスの空間デザインを通じて、時代ごとのお客様の課題に向きあってきました。2021年に自らの社会における役割を「WORK & LIFE STYLE Company」と再定義し、「働く」「学ぶ・暮らす」のドメインで文具や家具だけにとらわれない豊かな生き方を創造する企業となることを目指しています。
https://www.kokuyo.com/
■ingCloud
カラーバリエーション:4種類(詳細は公式ページを参照)
発売時期:2025年12月3日
価格(税抜):へッドレストあり 258,000円、ヘッドレストなし 238,000円
https://www.kokuyo-furniture.co.jp/products/office/special/ing-series/ingcloud/
ハーマンミラー「セイルチェア ゲーミングエディション」
サンフランシスコのシンボルである有名なつり橋・ゴールデンゲートブリッジに着想を得てデザインされた「セイルチェア ゲーミングエディション」。吊り橋の構造と最小限の素材で最高のものを生み出す工学原理を応用した、スタイリッシュなゲーミングチェアは、フォームとファブリック製のチェアよりも少ない部品と素材でつくられています。

背もたれにはフレームのない独自構造を採用し、エラストマー製のストランドを部位ごとに異なる張力で配置しています。サポートが必要な部分には強い張力を、より自由な可動域が求められる部分には弱い張力を持たせることで、最適な座り心地を実現。
また、体の動きに寄り添う「ハーモニックチルト」テクノロジーにより、自然でバランスの取れたリクライニング動作をサポート。さらにPVC(ポリ塩化ビニル)は一切使用しておらず、製品寿命を終えた後には最大90%のリサイクルが可能です。配送時には2つのパーツに分かれ、椅子のサイズの半分の箱で届くため、環境への負荷も最小限に抑えられています。
【近年の商品の変化について】
人間工学に基づくチェアとしての機能はそのままに、ゲーミングらしい、お好みのスタイルに合わせて選べるカラーリングなどが特徴的です。
■Herman Miller Gaming
2020年に設立。プレイヤーの可能性を最大限に引き出す世界最高クラスのゲーミング製品を独自に設計するグローバルデザインブランド。競技パフォーマンスのあり方に変革をもたらすとともに、究極の人間工学に基づいたセットアップを提供し、ゲーマーからeスポーツアスリートにいたるまで、すべてのプレイヤーに健康的なゲームプレイを促進している。
https://hermanmiller.co.jp/pages/gaming
■セイルチェア ゲーミングエディション
サイズ:高さ890~990mm、幅730mm、シート高425~525mm、シート幅500mm、シート奥行430~480mm、アーム高570~780mm
カラー(バリエーション):全6色
価格(税抜):130,900円
https://hermanmiller.co.jp/products/sayl-chair-neon
マルニ木工「HIROSHIMA natural」
HIROSHIMAアームチェアは、2008年の発売以来、木目の向きや手触りにまでこだわったマルニ木工の精緻なモノづくりとともに、多くの方に愛されてきました。そのモノづくりの姿勢を受け継ぎ、素材と誠実に向き合うことで「HIROSHIMA natural」は完成しました。

素材のエキスパートが特性を見極めて丁寧に選んだ良質な無垢材でも、実際に削っていく過程で、節やカナスジ、色ムラといった木の個性がどうしても現れます。「HIROSHIMA natural」は、そうした自然の痕跡をそのままに受け入れ、ありのままを活かし伝えるため、ソープ仕上げを施しました。白木地のような優しい風合いをもち、素材の美しさを感じられます。
デザイナーの深澤直人さんは、「自然のままにあること。素材に正直で、余計なことをしないという姿勢です。無垢材は、木目も節もすべて違う。その個性をそのまま受け入れることが、自然への敬意だと思います。ソープ仕上げも、素材の質感を素直に伝えてくれる。とても誠実な仕上げ方です」と、コメントしています。
【近年の商品の変化】
HIROSHIMAアームチェアは、無垢材を削り出して成形しており、加工を進める中ではじめて木目の個性が現れます。そのため、素材の段階から上質な木材を選ぶことが欠かせませんが、近年はウッドショックや戦争の影響により、良質な木材の入手が難しくなり、より個性的な木目が出やすい状況にも直面しています。
2008年の発表当時は、木目の個体差を価値として捉える意識が十分に浸透しておらず、イメージとの違いから返品・交換に至ることもありました。しかし15年が経ち、天然素材への理解や、その美しさを受け入れる価値観が広がってきたと感じています。こうした時代背景を受け、素材本来の表情を存分に味わっていただくために誕生したのが「HIROSHIMA natural」です。
1928年に広島で創業した木工家具メーカー。創業以来「工芸の工業化」をモットーに、職人の手作業と緻密な機械加工を融合し、工芸的な美しさ、安定した高い品質、適正な価格を実現し続けてきました。深澤直人氏やジャスパー・モリソン氏、セシリエ・マンツ氏といったプロダクトデザイナーと技術者が真摯に向き合い、100年経っても世界の定番として愛される、精緻で優れたデザインの木工家具をつくり続けることで、何気ない日常を美しく心豊かにします。
https://www.maruni.com/jp/
■HIROSHIMA natural
サイズ:W560×D530×H765×SH425mm
カラー(バリエーション):ソープ仕上げ
価格(税込):108,900円、147,400円
https://webshop.maruni.com/c/limited-item/HIROSHIMA-natural/hrarmchair_wood_hr_natural
リッツウェル「VESPER」
ヴェスパーは、ギリシャ神話に由来する“宵の明星”を意味します。太陽が沈み、一日の終わりを告げるころ西の空に輝く金星は、古来より人々に希望とやすらぎを与えてきました。その名を冠した「ヴェスパー ラウンジチェア」は、まるで夕暮れの光に包まれるように、心と身体をやさしく解きほぐします。
背もたれは背中の緊張をそっと受け止めるように湾曲し、柔らかく身体を包み込みます。シート部分は三次曲線を描く造形により、ほどよいホールド感と安定した座り心地を実現。やや細めのスチールフレームが軽やかな印象をもたらし、金属でありながら有機的で滑らかなラインが空間に静かな美しさを添えます。

手に触れる肘掛けや後脚には厚革を巻き、職人の手で一つひとつ丁寧に編み上げています。その温もりある質感が、無機質なスチールとの心地よい対比を生み出し、安心感と上質さを同時に感じさせます。フレームや張地の色・素材を自由に組み合わせることで、唯一無二の特別なヴェスパーを創り出すことが可能です。
【近年の商品の変化について】
近年の家具は、均一で完璧なものよりも、人の手の痕跡やぬくもりが感じられるものが重視されるようになっています。その背景には、見た目の美しさだけでなく、「人が何を求めているのか」「いま社会に何が必要なのか」を真摯に考える姿勢があります。効率や合理性が優先されるほど、人は逆に“人らしさ”を求めるようになりました。自然との共生やサステナビリティへの意識の高まりもその一つであり、家具は心地よさや安心感をもたらす存在として、改めて注目されています。
リッツウェルもまた、そのような時代の変化を大切に受けとめながら、手仕事を軸にした家具づくりを続けています。均質な美しさではなく、職人の手によって1脚ずつ丁寧に仕上げられる家具には、使い手の感覚に寄り添う温かさがあります。素材と向き合い、手で確かめながら仕上げていく過程の中でしか生まれない“温もりのある表情”こそが、リッツウェルのデザインの本質です。
家具の選び方も自分にとって心地よく、共感できる価値をもつものを選ぶ時代へと変化。デジタル化やSNSの普及によって、ブランドと消費者の距離はこれまでになく近づきました。だからこそ、ブランドの姿勢や哲学を誠実に発信することがより重要です。私たちは「永く愛着を持って使える家具とは何か」という問いに真摯に向き合い、手仕事を通して唯一無二の家具づくりを追求しています。
1992年に福岡で創業。創業時から世界を見据え、ミラノサローネ出展など積極的に海外活動を展開。その上質なデザインと日本ならではの繊細な手仕事により生み出される製品は、ドイツiFデザイン賞、RED DOT賞をはじめ、世界的に権威のあるデザインアワードの数々を受賞。
https://ritzwell.com/
■VESPER
サイズ:W660×D660×H735mm、SH410mm、AH665mm
厚革手編み仕上げ:厚革6色
フレーム:スティール(BK)※アップグレード ステンレススティールヘアライン6色
価格(税抜):376,000円~
https://ritzwell.com/product/vesper/




