ル・コルビュジエの没後50年でもあり、Cassina S.p.A.（カッシーナ）がル・コルビュジエ、ピエール・ジャンヌレ、シャルロット・ペリアンによるLCコレクションの復刻生産を開始して50年となる2015年。それを記念して発表されたのが、色と素材を新解釈した「LCコレクション」だ。新解釈とは、オリジナルモデルや歴史的なアーカイブ、美術館収蔵品などを研究した結果。

数ある椅子の中でもマスターピースとしての存在感が別格で、広く認知されている「LC2」。これまでのカラーは1978年にシャルロット・ペリアンによって定義されたものだった。今回、ル・コルビュジエ財団および共作者の著作権継承者らと共に、アーカイブや美術館収蔵品を科学的に分析し見直されたフレームカラーは以下の五つ。

ポンピドゥーセンターモデルの「ブルー」、ル・コルビュジエとピエール・ジャンヌレが所有していた2つのモデル「グリーン」、現在ラ・ロッシュ邸にあるソファ「トープ（赤鈍色）」、パリのル・コルビュジエのアパートメントにあるLC5「アイボリー」、ラ・ロッシュ氏が所有していたLC2（現在はストックホルムの国立美術館所蔵）「ブラウン」。

デイベッド仕様だった「LC5.F」は、ル・コルビュジエのパリの自宅アパートにあるオリジナルに忠実なデザインに変更。これまでになかった2人掛、3人掛と7色のカラーフレームで展開。

1927年にシャルロット・ペリアンが自宅用に籐張りでデザインしたスツール「LC9」。1929年のサロン・ドートンヌでバスルーム用としてタオル地仕様に変更された。そこに、オリジナルの籐張りと、新たに革張りが、カラーフレームのバリエーションと共に加わっている。