
ウィンザーチェアがイギリスで生まれたのは、18世紀前半といわれている。すべての部材に木を用い、座板に脚や背棒が直接差し込まれたこの椅子は、自然で質朴な美しさを持つ実用品として幅広い層に受け入れられていった。
民藝運動の創始者である柳宗悦と陶芸家の濱田庄司は、1929年にイギリスにおもむき、ウィンザーチェアを含む約300点の椅子を求める。これらの家具はその後、東京で展示・頒布され、日本におけるウィンザーチェア普及の大きなけん引役を果たした。民藝運動の中では、柳や濱田のほか、バーナード・リーチ、芹沢銈介、池田三四郎といった人々から高い評価を得て、収集や製作も各地で行われ、やがて西洋家具の代表として認知されていく。
請来されている数や、それにならったつくり手の存在を考えると、日本人にとってのウィンザーチェアは、室町期に渡ってきた高麗茶碗や、民藝運動草創期に影響を与えたイギリスの古陶スリップウェアなどと同様、外邦工芸品として特別な作物といえるかもしれない。
本展では、現在日本にあるウィンザーチェアの優品と、関連する欧米の多様な椅子がかつてない規模で展示され、素材から得た確かな手法と、その伝統に根差した造形美が紹介される。
【関連イベント】
●記念講演会「松本民芸家具とウインザーチェア」
講師:池田素民(松本民芸家具常務取締役)
日時:10月28日(土) 18:00~19:30
料金:300円(入館料別)
※要予約
●特別講演会「ロマネスクと柳宗悦」
講師:金沢百枝(東海大学文学部ヨーロッパ文明学科教授)
日時:11月11日(土) 18:00~19:30
料金:300円(入館料別)
※要予約
開催期間 |
2017/09/07(木)~2017/11/23(木) ※イベント会期は終了しました
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時間 | 10:00~17:00(入館はは閉館30分前まで) |
休館日 | 月曜日(ただし、祝日の場合は開館し、翌日振替休館) |
入場料 | 一般1,100円/大高生600円/中小生200円 |
会場 |
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会場電話番号 | 03-3467-4527 |
会場URL | http://www.mingeikan.or.jp/ |
詳細URL | http://www.mingeikan.or.jp/events/special/201709.html |