東京・自由が丘にあるgallery to plusで、寺田鵬弘の個展「ちょっと手を抜く。」が開催される。

寺田鵬弘はこれまで、急にかかってきた着信を切るための装置や、旗を使って必要以上に社会に尽くさないように教える機械など、社会の生産性を落とすような作品を制作してきた。金属や身の回りにある道具で作られた作品は、細かい手仕事と幼稚な動作で現代の時間の価値を模索する。

——「大人になること」、それは「世の中の仕組みを理解すること」だと、若者に説いている自分がいる。その「大人たち」でさえ、近頃まるで「世の中の仕組み」が分からなくなっているというのに。そんな日常に「彼」から届いたメッセージは、「仕事は後回しにしてお茶でも飲みましょう」。このメッセージは、一体誰に向けられているのか？「世の中の仕組みを理解している」はずの「大人たち」だとばかり思っていたのが、そうで無いことに気付かされ、言葉を失う。——

本展は、日を改めて2度観ていただきたい内容だという。1度目は作品そのものを存分に堪能し、2度目は「彼」からのメッセージの意味を、そして誰に向けたものなのかをぜひ探っていただきたい。

【関連イベント】
●アーティスト・トーク
日時：8月25日（金）19:00～