起点としての80年代

1980年代は、「インスタレーション」や「メディア・アート」など、今日の美術につながる重要な動向が生まれた時代です。時代がバブル景気に向けて加速し、消費文化が花開くなか、現代美術の世界でも70年代までのコンセプチュアルで禁欲的な表現から、自由奔放で多様な作品が一気に生まれました。各地で多くの美術館が開館し、貸画廊と呼ばれるギャラリースペースも賑やかでしたが、「オルタナティブ・スペース」が登場し始めたのもこの時代です。「美術」に代えて「アート」という言葉がよく使われるようになりました。
近年、「具体」や「もの派」など70年代までの戦後日本の現代美術に関する研究は、国内外で急速に進んでいます。また、サブカルチャーに影響を受けた90年代以降の表現が注目を浴びるなか、その狭間に位置する80年代の検証はまだこれからと言えるでしょう。
本展は、「メディウムを巡って」「日常とひそやかさ」「関係性」「記憶・アーカイヴ・物語」という4つのキーワードをあげ、19人の作家を紹介しながら1980年代の日本の美術を見つめます。もちろん、どの作家、作品も多様な側面を持ち、どの言葉にも少なからず関係します。また作家がそのような言葉を意識したり、作品が当時からそのような言葉で語られてきたわけではありません。しかし、懐古的にこの時代を振り返るのではなく、現在の視点から照射することで、80年代に生まれ、今につながる豊かな表現が、改めて見えてくることでしょう。
本展は、金沢21世紀美術館、高松市美術館、静岡市美術館の3館による共同企画展で、静岡が最終会場となります。また当館では、静岡の80年代のアートシーンの一端を紹介する「Shizubi Project 7 アーカイヴ/1980年代-静岡」も多目的室で同時開催します。
《本文は公式サイト紹介文より抜粋》
開催期間 |
2019/01/05(土)~2019/03/24(日) ※イベント会期は終了しました
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時間 | 10:00~19:00(入場は閉館30分前まで) |
休館日 | 月曜日(ただし、2/11は開館)、2/12 |
入場料 | 一般1,100円/大高生・70歳以上700円/中学生以下無料 |
参加アーティスト | 石原友明、今村源、大竹伸朗、岡﨑乾二郎、川俣正、杉山知子、諏訪直樹、辰野登恵子、戸谷成雄、中原浩大、中村一美、日比野克彦、藤本由紀夫、舟越桂、松井智惠 他 |
会場 |
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会場電話番号 | 054-273-1515 |
会場URL | http://www.shizubi.jp/ |
詳細URL | http://shizubi.jp/exhibition/future_190105.php |