大久保卯月「あはれてん」
千葉の一茶双樹記念館にて、大久保卯月の個展「あはれてん」を2023年6月25日まで開催します。
本展はあはれな写真展です。ここでのあはれとは、哀れではなく、その起源となる感動から自然に発する音のことです。さて、あなたは心が動いた時、どんな音が鳴りますか?
僕はカメラを持って流山、沖縄、東京など日本の街を歩き、なんとなく心が動いた瞬間を撮ってきました。始めは、はっと何かに気づいて、それからシャッターを押しているのですが、1時間2時間と撮り続けているとその前後関係は曖昧になっていきます。もしかすると僕は、カメラにシャッターを切らされているだけなのかもしれないと考えることがあります。それは少し哀れな気がしますが。
今回テーマをあはれにしたのは、会場である一茶双樹記念館で「天晴」という掛け軸を目にしたからです。そこには明治31年に小松宮彰仁親王殿下が秋元家を訪れた際、八代目秋元三左衛門のために「天晴」の掛け軸を書いたという経緯があるそうです。それでも、今の感覚で、あっぱれと書かれた掛け軸を見ると少し違和感がありました。でものちに天晴の語源が「あはれ」であることを知った時、それがとてもしっくりきました。書かれた言葉には想像力の余白が多く、その意味は受け手に一任されています。それは写真にも共通する部分があり、そういう類の創作を僕もやりたいと思っています。
僕の心が動いた時、カシャッと電子混じりのシャッター音がして、写真がうまれました。歴史を感じる御座敷で、丁寧に手入れされたお庭を眺めて、あはれな写真を囲み、お茶を飲みながら、思いを馳せる。僕はあはれてんが、そんな展示になればいいなと思っています。是非お気軽にお越しください。
《本文は公式サイト紹介文より抜粋/一部編集》
開催期間 |
2023/06/20(火)~2023/06/25(日) ※イベント会期は終了しました
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時間 | 9:00~16:50(初日は12:00~、最終日は15:00まで) |
入場料 | 無料 |
会場 |
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お問い合わせ | 04-7150-5750 |
会場URL | https://nagareyama-td.com/issasouju/ |
詳細URL | https://awareten.studio.site/ |