おもにガラスを素材に柔らかな光を湛える作品を生み出す作家、扇田克也の個展「光のカタチ」が、富山市ガラス美術館で開催される。

扇田は金沢美術工芸大学の鋳金科を卒業後、東京ガラス工芸研究所にてガラスによる制作を学んだ。1980年代後半より、型にガラスを詰め、熱を加えて熔かし、その後冷やし固めるコールドキャストの方法を用い始め、簡潔なかたちの中に、光の存在を意識させる作品の制作に取り組む。家、山、大地、雨、海、星々といった、身の回りの風景の中にあるものを見つめ、日々を生きる中での体験から発見を得て生み出される扇田の作品には、自然の秩序の中で営まれる、ささやかな日常を慈しむ作家の眼差しが投影されている。

本展では初期から現在にいたるまでの作品から、静謐であたたかな存在感を放つ扇田の作品世界が紹介される。

【関連イベント】
●学芸員によるギャラリートーク
日時：6月16日（土）、6月30日（土）、7月14日（土）、8月25日（土）　各回14:00～
会場：富山市ガラス美術館 2F 展示室1・2