「輝板膜タペータム」落合多武展

ドローイング | 2020 |ニューヨーク ©︎Tam Ochiaiドローイング | 2020 |ニューヨーク ©︎Tam Ochiai

エルメス財団では、ニューヨークを拠点に活動する落合多武(1967年神奈川県生まれ)の個展を開催します。落合は、1990年の渡米直後より発表をはじめ、日本では、国公立美術館のコレクションのほか、ワタリウム美術館(2010)での個展や、水戸芸術館(2007)、原美術館(2009)でのグループ展や横浜トリエンナーレ2011への参加などを通じて紹介されてきました。落合の制作活動は、ドローイング、ペインティング(絵画)、彫刻、映像、パフォーマンス、詩や文章の執筆や印刷物など、多様な形態にて実践されています。どの作品も、複数の時間や流動的な思考が含まれており、ひとつの概念がかたちを成しては解体され、また次の思考へと結びついてゆくプロセスとともにある身振りそのものと言い換えられるでしょう。

本展覧会は、四半世紀にわたる落合の作家活動を通して制作された幾つかのシリーズ《M.O》、《Everyone Has Two Places》、《ashtray sculpture(灰皿彫刻)》、《Itinerary, non?》、《Chopin,Op.97(ショパン、97分間)》など、ペインティング、立体、写真、映像と様々な表現の作品群を組み合わせながら、それぞれの作品が導き出す事柄の連鎖や断絶の中にある自由な遊歩を提案するものです。

タイトルに掲げられている「輝板膜タペータム(Tapetum Lucidum)」は、夜行性動物の眼球内にある輝板(タペタム)という構造物を参照しています。これは、網膜の外側に存在し、暗闇の中のわずかな光を捉えて反射する機能を持ち、猫の目が暗闇で光る現象として理解されているものです。人間の視覚にはないこの輝板は、日ごろ、特段意識をしていないものから光を集め、一瞬の反射光を放つ、軽快でウィットに富んだ落合の表現のようです。それらは断片のようでありながら、断片から全体像を常に揺り動かしてゆくように作用し、ひとつのナラティブに収束することがありません。「暗い場所で光を反射し続ける眼球は、見られるものに対して中間地点にいる」と落合は語ります。その眼球の中をこの展覧会とするならば、その世界は見るものと見られるものが自由に交差する永遠の中間地点を象徴しているのかもしれません。

《本文は公式サイト紹介文より抜粋》

開催期間 2021/01/22(金)~2021/04/11(日)
時間 11:00~20:00(日曜日は19:00まで/入場は閉館30分前まで)
休館日 不定休(エルメス銀座店の営業時間に準ずる)
入場料 無料
参加アーティスト 落合多武
会場
  • 銀座メゾンエルメス フォーラム
  • 東京都中央区銀座5‐4‐1 8・9F
会場電話番号 03-3569-3300
会場URL https://www.hermes.com/jp/ja/story/maison-ginza/
詳細URL https://www.hermes.com/jp/ja/story/maison-ginza/forum/210122/