
第二次世界大戦後、画期的な表現を次々と生み出して注目を集めたニューヨーク。大戦中、戦火を逃れてヨーロッパから移り住んだ多くの作家たちによって伝えられた近代美術がアメリカの若者たちを刺激し、新しい意欲的な表現へと道を開いたのです。
当時最先端の表現であったキュビスムとシュルレアリスムを乗り越えようとする試みは、アクションという画家の激しい身振りの結果として、あるいは広漠とした色面の広がりとして、抽象表現主義と呼ばれる新しい絵画を生み出しました。また男性用小便器を展覧会に出品したマルセル・デュシャンのダダ的な行為は、生活と芸術を等価とみなすネオ・ダダと呼ばれる作家たちに影響を与え、大衆文化への関心は大量消費社会を背景にポップ・アートというアメリカ独自の美術として花開きます。
一方で1960年代以降、美術の根源を探るきわめて禁欲的、還元的な美術も同じニューヨークに登場します。そして現代美術の首都とも呼ぶべきその街では多くの日本人も活躍し、草間彌生や河原温のように今日では世界的に知られる作家も存在しました。
この展覧会では、現在改修のため休館中の滋賀県立近代美術館が所蔵する日本屈指の戦後アメリカ美術のコレクションを中心に、国内の美術館に所蔵される優品を加えた約100点の作品によって、ニューヨークという都市で繰り広げられたアメリカ美術の半世紀を紹介します。
【関連イベント】
●ミュージアムカレッジ 2019
―20世紀アメリカの視覚表現―《埼玉大学創立70周年記念事業》
時間:15:00~16:30(会場14:30)
場所:2F 講堂
定員:100名(当日先着順)
料金:無料
(1)「ニューヨーク・アートシーン 戦後アメリカ美術の展開と特質」
尾崎信一郎(「ニューヨーク・アートシーン」展企画者、鳥取県立博物館 副館長)
日程:11月16日(土)
(2)「ロスコ、コーネル、フレヴィン、孤独への旅、あるいは恒星の国アメリカ」
加藤有希子(埼玉大学 基盤教育研究センター 准教授)
日程:11月23日(土)
(3)「ダンスとノン・ダンスの間:ジャドソン・グループとその周辺」
外山紀久子(埼玉大学大学院 人文社会科学研究科 教授)
日程:11月30日(土)
(4)「ニュー・バウハウスからMITへ:G・ケペシュのアート&サイエンス」
井口壽乃(埼玉大学大学院 人文社会科学研究科 教授/副学長)
日程:12月7日(土)
開催期間 |
2019/11/14(木)~2020/01/19(日) ※イベント会期は終了しました
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時間 | 10:00~17:30(展示室への入場は閉館30分前まで) |
休館日 | 月曜日(ただし、2020年1/13は開館)、12/27~2020年1/3 |
入場料 | 一般1,200円/大高生960円/中学生以下と障害者手帳をご提示の方(付き添い1名を含む)は無料 |
会場 |
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会場電話番号 | 048-824-0111 |
会場URL | http://www.pref.spec.ed.jp/momas/ |