並河靖之七宝展

明治時代、輸出用美術工芸として人気を博した七宝。並河靖之(1845-1927)は、その中でも繊細な有線七宝により頂点を極めた七宝家である。没後90年を記念する本展は、初期から晩年までの作品を一堂に会する、初めての回顧展である。
京都の武家に生まれた靖之は、久邇宮朝彦親王に仕えたのち、明治維新後に七宝業に取り組み始める。知識や資材が無い中、試行錯誤して技術・意匠の改良を進め、やがて内外の博覧会で成功を収める。工房には外国からの文化人が多数訪れ、「京都並河」ブランドは新聞や雑誌を通して海外へと紹介された。明治29年(1896)には帝室技芸員となり、当代一流の工芸家としての地位を確立する。大正期に入ると七宝業全体の生産額が落ち込み、並河も工房を閉鎖、その名は次第に忘れ去られて行った。
しかし近年、明治工芸への関心の高まりにともない、再び注目が集まっている。細密な植線、豊かな色彩、四季折々の花鳥風月、そして研ぎ澄まされた透明な黒い釉薬。類まれな技術のみに留まらず、洗練された感性に基づき制作された七宝は、100年以上の時を経てなお光を放ち、人々を魅了する。本展では、国内外の七宝作品に加え、下絵などの関連資料を通して、その全容を明らかにする。
【関連イベント】
●講演会
「西欧における日本七宝へのまなざし(仮)」
日時:2017年1月14日(土) 14:00~15:30
会場:新館ギャラリー2
定員:100名
講師:グレゴリー・アーヴィン(ヴィクトリア&アルバート美術館、シニアキュレーター)
※入館者対象、無料、事前申込み不要
●ワークショップ
「身につける七宝づくり」
日程:2017年2月25日(土)
講師:近藤健一(七宝作家)
※要事前申込み、有料
※詳細は公式ホームページをご覧ください
開催期間 |
2017/01/14(土)~2017/04/09(日) ※イベント会期は終了しました
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時間 | 10:00~18:00(2017年3/24、3/25、3/26、4/1、4/2、4/7、4/8、4/9は20:00まで/いずれも入館は閉館30分前まで) |
休館日 | 第2・第4水曜日 |
入場料 | 一般1,100円/大学生(専修・各種専門学校含む)880円/中・高校生・65歳以上550円 |
参加アーティスト | 並河靖之 |
会場 |
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お問い合わせ | 03-5777-8600 |
会場電話番号 | 03-3443-0201 |
会場URL | http://www.teien-art-museum.ne.jp/ |
詳細URL | http://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/170114-0409_namikawa.html |