
開国を機におとずれた西洋の技術や文化との出会いは、日本社会に新たな価値観をもたらした。日本が近代国家への道を歩み始めたときから数えて150年目となる2017年、本展では「香粧品」の近代化が取り上げられる。
香粧品とは、香料や化粧品類を総称する語だ。明治時代以降、日本の化粧品業界はフランスやドイツ、イギリス、アメリカなど、諸外国の香粧品に多大な影響を受け、向上に努めてきた。化学知識の導入によって原料の安全性追究に目覚め、無害な化粧品の創製がうながされると同時に、用途・効能別による多品種化・分類化が進んだ。また、外国製品のもつ豊かな香気は日本古来の薫香とまったく異なり、ゆえに新時代の化粧品を標榜する上で、輸入香料が必需の原料となっていく。明治期の西洋の香りに対する強い憧憬は、香料研究の熱量となってあらわれ、大正期以降の合成香料の国産化へとつながっていくのである。
一方で香粧品の外観においても、外国製品と日本製品との隔たりは明白だった。容器の造形、意匠、包装やラベルなどのパッケージデザイン、いずれも外国製品は従来品にない魅力にあふれており、日本の化粧品業界はデザイン制作の面でも西洋の美を糧に成長してきた。
本展では、明治期から昭和初期の国産香粧品と、その生い立ちの源泉となった外国製品および関連印刷物が紹介される。近代香粧品が辿った発展の道のりを、随所に注がれた舶来エッセンスとともにご覧いただきたい。
開催期間 |
2017/10/21(土)~2017/12/10(日) ※イベント会期は終了しました
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時間 | 10:00~18:00(11/17は20:30まで/いずれも入館は閉館の30分前まで) |
休館日 | 月曜日 |
入場料 | 一般600円/中学生以下と障害者手帳提示者ならびに同伴者1名は無料 |
会場 |
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お問い合わせ | 03-5467-3735 |
会場URL | http://www.isehanhonten.co.jp/ |
詳細URL | http://www.isehanhonten.co.jp/museum/exhibitions.html |