飯川雄大 デコレータークラブ 同時に起きる、もしくは遅れて気づく

神奈川県の彫刻の森美術館にて、現代の新しい創作表現を紹介するシリーズの第8回として、「飯川雄大 デコレータークラブ 同時に起きる、もしくは遅れて気づく」を2023年4月2日まで開催しています。本シリーズは、コロナ禍を経て、4年ぶりの開催となります。
兵庫県神戸市出身の飯川は、言語や画像を用いたなかにも生じる伝達のあいまいさ、感覚の共有不可能性について問い続けてきました。鑑賞者が気づきのなかから湧き起こるイメージをつなげ、多様な認識を生み出すことを期待して制作しています。2022年は国立国際美術館でのグループ展「感覚の領域今、『経験する』ということ」の参加や、兵庫県立美術で個展「デコレータークラブメイクスペース、ユーズスペース」を開催するなど、近年活躍が目覚ましいアーティストの一人です。
本展では、飯川が2007年から展開している〈デコレータークラブ〉シリーズの新作インスタレーションを中心に展示しています。鑑賞者が作品に能動的に関わることで変容していく空間やものが、別の場所で起きる同時に見ることはできない事象とつながるインスタレーション作品《0人もしくは1人以上の観客に向けて》、誰かの忘れものかのような《ベリーヘビーバッグ》のほか、一目では全貌をとらえることができない彫刻作品《ピンクの猫の小林さん》が木々のなかに潜みます。また、過去に発表した映像作品も展示し、作品に通底する飯川の視点にも迫ります。
飯川の作品は、幅広い来館者層へもアプローチする、かわいらしく、接しやすい表層を持ちつつも、人間のコミュニケーションの不完全さや、時には遅効する気づきそのものへの興味に焦点を当てています。鑑賞者の行為によって起きる偶然をポジティブにとらえ、時間や距離が離れた場所にも出来事を送り届けることを試みます。〈デコレータークラブ〉は、見るものに行動と思考を誘発しながら展開していきます。
本展の会期は、約8カ月です。季節の移ろいとともに、作品の表情も変化していくでしょう。彫刻の森美術館の野外美術館の地形や特性を生かして展開していく飯川の作品を経て、彫刻の森美術館の新しい魅力も発見していただけたら幸いです。
《本文は公式サイト紹介文より抜粋/一部編集》
開催期間 |
2022/07/30(土)~2023/04/02(日) ※イベント会期は終了しました
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時間 | 9:00〜17:00(入館は閉館30分前まで) |
休館日 | 会期中無休 |
入場料 | 大人1,600円/大学・高校生1,200円/中学・小学生800円/未就学児 無料 |
参加アーティスト | 飯川雄大 |
会場 |
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会場電話番号 | 0460-82-1161 |
会場URL | https://www.hakone-oam.or.jp |
詳細URL | https://www.hakone-oam.or.jp/specials/2022/decoratorcrab/ |