紙の上の建築 日本の建築ドローイング1970s-1990s

紙の上の建築 日本の建築ドローイング1970s-1990s

建築におけるドローイングとは、一般的には「図面」のことだ。その中にはスタディのためのスケッチから設計図、施工図、プレゼンテーションのために美しく着彩され陰影を施されたレンダリングなどが含まれる。しかし、ときに建築家たちはこのような設計-施工のプロセスからは相対的に自立した世界を紙の上に追求した。

日本では特に大阪万博以後1970年代から1980年代にかけて、建築ドローイングの表現は大きな飛躍をみせる。ポスト戦後という時代に、建築家たちは実務上の要求を超えて、多くのエネルギーをドローイングに注いでいく。画面は大きくなり、技法は多様化し、ひとつの独立した作品として鑑賞されるものとなる。建築家たちはなぜそれらを描いたのか。彼らが紙の上に求めたものは何だったのか。ひとつの建物が竣工するということだけでは必ずしも完成しない、建築家のビジョンがそこには示されている。

1990年代にCAD(computer-aided design)が普及してからは、設計図書が手で描かれることもなくなり、ドローイングによる表現は衰退していく。ポスト戦後の建築家たちが描いたドローイングは、時代の中でどのような意義を持っていたのか、今それらは私たちに何を問いかけるのか。そのことを考えるために本展は生まれた。

【関連イベント】
●シンポジウム1「建築ドローイングと日本建築 1970s-1990s」
日時:12月2日(土) 14:00~16:00
出演:植田実(住まいの図書館出版局編集長)×中谷礼仁(歴史工学家、早稲田大学教授)
司会:戸田穣(金沢工業大学准教授)
会場:建築家会館 大ホール
定員:120名(当日先着順、参加費無料)

●ギャラリートーク「建築ドローイングの時代」
日時:11月4日(土) 14:00~
出演:塚本由晴(アトリエ・ワン、東京工業大学教授)

※そのほかの関連イベントは、下記詳細URLをご覧ください

開催期間 2017/10/31(火)~2018/02/04(日)
※イベント会期は終了しました
時間 10:00~16:30
休館日 11/25、12/29~2018/1/3
入場料 無料(旧岩崎邸庭園から入館する場合は庭園観覧料400円/土・日・祝は旧岩崎邸庭園からの入館のみ)
参加アーティスト 渡邊洋治、磯崎新、藤井博巳、原広司、相田武文、象設計集団、安藤忠雄、毛綱毅曠、鈴木了二、山本理顕、高松伸
会場
  • 国立近現代建築資料館
  • 東京都文京区湯島4-6-15
会場電話番号 03-3812-3401
会場URL http://nama.bunka.go.jp/
詳細URL http://nama.bunka.go.jp/kikak/kikak/1710/