チリの首都サンティアゴを拠点に独創的な活動を続ける建築家スミルハン・ラディックの個展が、TOTOギャラリー・間で開催される。

ラディックは近年関心が高まっている南米の現代建築界にあって、独自の世界観で注目を集めている。2010年には、ヴェネチア・ビエンナーレにインスタレーション作品「魚に隠れた少年」を出品、さらにTOTOギャラリー・間の25周年を記念して開催した展覧会「GLOBAL ENDS－towards the beginning」の7組の建築家のひとりとして、「隠れ家」と題した作品を1,800mm角の展示台の上に提示した。

「BESTIARY：寓話集」と名づけられた本展では、空想上の生き物に見立てた20余りの模型を中心に、ラディックの考える現代の寓話集を提示する。さらにプロジェクトごとにラディックが描き記した70冊にものぼるスケッチブックや、書籍『The Invention of Chile［チリの発明］』に着想を得たという架空の「チリ現代建築ガイド」などを展示。時に難解とも評されるラディックの思考の源と、ひとつひとつの模型に宿る「確信の瞬間」を、それぞれの視座から見つけ出し、感じ取っていただきたい。

【関連イベント】
●スミルハン・ラディック講演会
「BESTIARY：寓話集」
日時：7月8日（金）　17:30開場、18:30開演、20:30終演（予定）

●神戸講演会
第40回神戸建築学　スミルハン・ラディック神戸講演会
「BESTIARY：寓話集」
日時：7月10日（日）14:30開場、15:00開演、17:00終演（予定）