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vol.03

vol.03 全国から南房総へ 人気病院の建築デザイン[亀田総合病院]

2012.11.14

提供したいサービスによって建物のデザインが決まる

日が暮れると昼間とは違う表情を見せ始めるL棟。室内の灯りによって変化する光のグラデーションが美しい
日が暮れると昼間とは違う表情を見せ始めるL棟。室内の灯りによって変化する光のグラデーションが美しい

「病院は生き物。既存の建物をリノベーションしながら、同時に必要な機能をステップバイステップで追加していかなければなりません」と亀田院長。亀田総合病院が建つ東京ドーム3つ分という広大な敷地の中には、外来を行う亀田クリニック、亀田リハビリテーション病院、などが点在し、その総称として「亀田メディカルセンター」と呼ばれている。1990年代から少しずつ拡張されてきたこれらの建物一つひとつにも、独自のこだわりが凝縮されている。
「病院建築で一番大切になるのは、どういうサービスを提供したいのかということ。そのサービスを提供するにはどういうものが必要かを考えて、平面計画の中に落とし込んでいるのです。亀田病院の建物の特徴は、“二重動線”になっていること。患者さんが行き来する動線と、スタッフが物や機器を搬送する動線を可能な限り分離しています。病棟がどんなにかっこよくつくっても、医療機器や給食のカートが並んでいては台無しですよね」。
さらに、スタッフの足音や機器類の移動の際に音が響かないようにとパブリックスペースの廊下がカーペット敷きだ。

もちろん完全防水でキャスターの回転を妨げないよう毛足の短いものが採用されている。「このカーペットひとつについても、こだわって選んでいます。アメリカの工場までスタッフと一緒に行って掃除や補修の仕方も習ってきました。ファニチャーもすべて買い付けに行っています。つくるからには、居心地のよいものをつくりたい。病院だから、デザインは必要ないということはないと思います」。このような亀田院長のこだわりから、今回、新病棟(新A棟)と既存の建物(Kタワー)をつなぐために新たに建てられた連絡棟(L棟)に、デュポン™コーリアン®製のカーテンウォールが誕生した。

病院の顔となるファサードをつくる

「院長先生がどんなものをつくりたいのかを、分かりやすく伝えてくださったので、我々デザインチームも非常にご提案がしやすかったですね」と話してくださったのは、L棟のカーテンウォールのデザインディレクションを担当した株式会社丹青社の松村磨氏。L棟は倉庫や会議室などを内包する連絡棟だが、新A棟とKタワーという亀田総合病院を代表する2つの建物の間にあるため、センターの顔となるデザイン性も求められていた。ほぼ全面ガラス張りのため、窓周りのインテリアがそのままファサードのデザインとなる建物だった。

L棟のカーテンウォールは、三角形にカットしたデュポン™コーリアン®カメオホワイト(6mm)に曲げ加工を施して製作
L棟のカーテンウォールは、三角形にカットしたデュポン™コーリアン®カメオホワイト(6mm)に曲げ加工を施して製作

「亀田メディカルセンター内の主な建物は、海をテーマにそれぞれデザインされています。L棟もそれを踏襲するかたちで、ヨットの白い帆をモチーフに何か印象的な造作ができないだろうか、というお話を最初にいただきました。また、病院前が東京駅からの高速バスターミナルになっているため、夜間に到着した人に安心感をもたらすような、光の演出を採り入れたいというご意向もありました。事前に院長先生と病院スタッフの方たちがいろいろな建物を視察されるなどして、具体的なイメージをお持ちでしたので、それを受けて、さらに面白いご提案をすべくデザインチームを編成しました」。
そこで松村氏は、建築、インテリア、グラフィックデザインを手がける有限会社テラダデザイン一級建築士事務所の寺田尚樹氏・平手健一氏とともに、L棟ファサードのデザイン作業にとりかかった。

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デュポン コーリアン®

1965年、米国デュポン社の研究・開発によって生まれたデュポン コーリアン®は、それまで木や金属、タイル、天然石などに限られていた、建築・インテリア分野の新しい素材として世界中で大きな反響を集めました。それから約40年、今では全世界130カ国の人々に愛され、なくてはならない素材として高い信頼をいただいています。
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“CORIAN”、「コーリアン」は、米国デュポン社の登録商標です。