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TANGE BY TANGE 1949-1959
丹下健三が見た丹下健三
丹下健三氏の処女作である「広島平和会館原爆記念陳列館」(1952年)を手掛けていた、1940年代後半から初期代表作のひとつである「香川県庁舎」(1958年)が完成するまでの10年間(1949~59年)に、自らが撮影した35mmフィルムのコンタクトシートを通して建築家としての初期像を探る。
この10年間に撮られた2,000枚を越えるカットは、コンタクトシートに焼かれてプロジェクトごとに分類、丁寧に写真台紙に貼り付けられて保管されていた。 コンタクトシートには、ところどころにトリミングラインや印が記されており、建築とどう対峙していたかを読み取ることができる。これら80枚にもおよぶコンタクトシートは原寸で再現。丹下氏の足跡から6つのグループに章立てされ、各章末には当時の言説も再録されている。また、丹下氏がトリミングした写真はライン通りに引き伸ばされ、写真に込めた意図が明らかにされている。さらに巻頭論文では、この時期に4回にわたって外遊した足跡を追いながら、本書に収められている時代から「世界のTANGE」になっていく経緯が述べられ、丹下建三氏の立脚点を明らかにしている。
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