アートのある暮らしを実現する学生限定 立体アートコンペティション

アートのある暮らしを実現する
学生限定 立体アートコンペティション

2013/02/20 UPDATE

Vol.1恒久的に残る作品を作る喜び

「アートのある暮らし」に憧れを抱く人は少なくない。しかし日本の住宅では、絵画やポスターを飾ることはあっても、立体作品となると、「値段が高く手が届かない」といった印象や、「何を選べばいいか分からない」「置く場所がない」など様々な問題から個人的に飾るケースは非常に少ないのではないか。

都市部の住まいの多くは集合住宅だ。マンションの玄関ホールであれば十分な広さがあるので立体作品を展示することができる。高価な作品であってもマンション1所帯あたりに直せば安価になる。さらにアートを展示することで建物の価値も向上し、住人も豊かな気持ちになれるだろう。

日本のマンションに、人の感性に訴えかけるような、文化的、芸術的な要素を取り入れられないかと考えスタートしたのが、「アート・ミーツ・アーキテクチャー・コンペティション(AAC)」だ。実際に建設予定のマンションの共用空間に展示する立体アート作品を学生から募るコンペで、若手アーティストの発掘・支援・育成を目指し、2001年から毎年実施されている。

AACの最大の特徴は、最優秀作品が買い上げられ、マンションの共有空間に恒久的に常設展示されるという点。第一回の開催以来、その斬新な活動は同業者を含め各方面から大きな注目を集めている。実際に建設されるマンションに導入されるため、設置場所などの条件、安全性、耐久性など、考慮すべき点は多い。また、毎日その場を通る住人にとって、そのアートがある物件を選んだことで豊かな気持ちになれるものであることが望ましい。

2005年最優秀賞「その木が生える場所」
2005年最優秀賞「その木が生える場所」
武藤 亜希子(東京芸術大学 大学院)
2006年最優秀賞「息を止めてきこえるリズム」
2006年最優秀賞「息を止めてきこえるリズム」
堀 園実(沖縄県立芸術大学)

当然ながら審査は厳しく、まずは書類選考で一気に3名に絞られる。受賞者には2~3ヶ月かけて実制作をしてもらい、マンションの竣工に合わせて各作品を現地に運び、実際の設置空間で本人によるプレゼンテーションが行われる。選考の結果、採用されるのは最優秀賞の1作品のみだ。

実務要素が多くハードルの高いコンペだが、苦労して作った作品が展示され続けるという喜びは大きい。これまでは展示用の台座にオブジェが置かれる一般的なスタイルの指定であったが、近年は壁面を使った設置条件を取り入れるなど、挑戦し甲斐のあるコンペへと進化し続けている。受賞者はこれを足がかりに、次のステップへと進むこともできるだろう。認知度は年々向上しており、諸条件をクリアして選ばれた作品は各方面から高く評価される。協賛企業として40社以上が名を連ねることからも、業界の注目度が伺える。

  • 2002年最優秀賞「目に見える偶然」
    2002年最優秀賞「目に見える偶然」
    藤本 明洋(明星大学)
  • 2003年最優秀賞「monk's habit」 柳原 絵夢
    2003年最優秀賞「monk's habit」
    柳原 絵夢(東京藝術大学大学院)
  • 2004年最優秀賞「Family's scenery」 青柳 慎
    2004年最優秀賞「Family's scenery」
    青柳 慎(京都造形芸術大学大学院)

Nakagawa Chemical

INDEX

恒久的に残る作品を作る喜び

VOL.1

恒久的に残る作品を作る喜び

マンションの顔となるアートの要件

VOL.2

マンションの顔となるアートの要件

プロとしての第一歩を踏み出すために

VOL.3

プロとしての第一歩を踏み出すために

企業情報

アート・ミーツ・アーキテクチャー・コンペティション(AAC) / 株式会社アーバネットコーポレーション

TEL:03-3512-5111(代)
https://aac.urbanet.jp/