2012/12/19 UPDATE
複雑な形状を描き込む
六本木の「メルセデス・ベンツ コネクション」の設計時を振り返ると、図面を描く上で大変だったのはやっぱり柱ですね。1本1本が全て異なる形で、カットも不規則。空間に合わせた計算から導いたサイズを基に、面で展開して作り込んでいきました。それがとにかく大変で(笑)。
柱に限らず、図面上だけで複雑な仕組みを描こうとすると相当苦労するので、3Dと2Dを行き来できるVectorworksの操作性は良いです。3Dをそのまま図面にできたり、3Dの見たいところを切り取ると断面図としても使える点は非常に優れていますね。
「今治タオル」の設計時には、VectorworksでCGも立ち上げましたし、レンダリングにも使っています。パースで面にグラデーションをかける機能を相当使いましたね。
同じく、佐藤可士和さんのディレクションで僕らがデザイン設計した「SUIT SELECT」の旗艦店が、2012年10月に恵比寿にオープンしたのですが、それらもすべてVectorworksだけで進めてきました。外部を全面ステンレス張りで、3階までバキッとした存在感のある建物に完成しています。
3Dのイメージにも近づく使い勝手
僕が就職した頃はまだ、図面は手描きの時代。当時、務めていた事務所で少しずつコンピュータが使われるようになってからは、AutoCADを使っていました。でも自分でパソコンを買って、CADをやろうと思ったときはMiniCADですね。その後、1999年に独立した時から現在までずっと、Vectorworksです。
最初に買ったパソコンが、Mac。だから必然的にMiniCADだったとも言えますが、当時からクリエイティブ系の事務所はMacが主流だったので、自然にMacを選んだような気がします。もちろん、Macはプロダクトとしても最高ですから。
今は事務所でもスタッフ全員が、MacでVectorworksを使っています。僕はアイデアを出すときは手描きですし、スタッフも手描きスケッチをすることもありますが、図面を描き、ボリューム出すのも、レンダリングもVectorworksです。直感的に使えるし、面の情報を広く使えることや、色づけがしやすいのがいいですね。家具や人物などのパーツはスタッフ全員で共有して、新しく作ったらそれも共有しています。
空間を扱うデザイナー、設計者にはお馴染みのVectorworks。Vectorworks2012は、Designer(デザイナー)、Architect(アーキテクト)、Fundamentals(ファンダメンタルズ)の3種。全てレンダリング用のRenderworksを伴ったシリーズがあり、仕事の領域によって選択できるようになっている。
http://www.aanda.co.jp/Vectorworks2012/
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