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12カ月のパリ
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第11回 (2)
LES ECOLES DU DESIGN (デザイン学校)



ECOLE BOULLE (エコール・ブール) の場合

Boulle校は歴史のある造形美術国立学校であり、腕利きの家具職人を育成することに定評がある。他校から編入してくるケースが多く、インテリア・デザイン課とプロダクト・デザイン課のコースに分かれている。2年間のカリキュラムで、最後の1年間でディプロム課題を仕上げる。課題は、生徒が自由に選択することができる。学校の強制課題が無いことも魅力であるが、それだけに生徒へ与えられる責任も大きい。
プロダクト・デザイン課の1月の様子は、ディプロムまでの期間に課題を掘り下げていくべき材料が収集されて、それらをどう調理していくのか、模索していたことが伺えた。そして、半年後の学生課題を終えた満足感がここにある。




実際に会って話してみると、社会人として歩んでいく不安があることを誰一人として隠さない。
Elise(エリーズ)は、初々しさを放つ表情で、繊細な作品を丁寧に説明した。
製紙リサイクル業者に着眼した彼女の課題は、“いかに紙を家具に応用させるか”である。
「エディターから、商品化への依頼があるのですが、まだ準備できていないのです」と、嬉しさと未知の世界へ踏み出す第一歩を掴めずに、躊躇している様子。


ペーパーのロットを巧みに活かした椅子 座り心地も中々良い(卒業制作)

近々製品化も予定されているランプ(卒業制作)

レジのペーパーを再利用したランプ(卒業制作) ©VIA

仏LIBERATION誌をネットで包んだソファー(卒業制作) ©VIA




Elise FOUIN 2003年1月でのプロジェクト段階


2003年1月でのプロジェクト段階


又、観点は全く異なるが、フランスの衣服や雑貨を販売する激安ショップTATI(仏映画監督と同じ名前だが何の関連も無い)に家具デザインを提案したOlivier(オリヴィエ)は、なかなか積極的な気迫を感じさせる。「現代っ子」という言い方をしてしまえば、何もかも平たく感じ取られてしまうのだが、バーチャル世界に生きる感覚が漂ってくる。「日本で仕事をしてみたいので、Colucciデザイン事務所で経験を積みたいと思います。日本のことも知りたいので、こちらから連絡をしてもいいですか?」と、ローウェストのジーンズをルーズにはき、ポケットに手をかけて話す姿は一丁前だが、笑う表情にはあどけなさが残る。取材をしていると、出会って数分の間に、こうした人格を露にする発言に出くわすのがたまらなく面白い。学生たちには未知の世界が広がっている。


家具のコンセプトパネル(卒業制作)

TATIが販売するショッピングバッグが収納棚に(卒業制作)

テーブルクロス(卒業制作)

収納スペースが無い時の掃除機カバー(卒業制作)

「どこでも景色」は、好みの景色をプリントしたシートを窓に貼る(卒業制作)

Play homeシリーズ プリントされたカバーをスチール構造にかぶせるとどんな時代の家具を楽しむことも可能(卒業制作) ©VIA


Olivier WAGNIES 2003年1月でのプロジェクト段階 TATIでの購買者をモンタージュ写真のように展示


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