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今回は、ミラノ市が計画・実行している都市計画を、少し斜に構えた形で見て行きたいと思います。“相変わらず、ひねた物の見方しか出来ないレポートだ”と思わずに、少しお付き合いいただければ幸いです。
まず始めに、この Bicocca と呼ばれる場所の立地的条件を説明いたします。ここはミラノの中心から7キロほど北に行った所にあり、閑静といえば閑静な、寂びれているといえばそれまでの所です(ミラノは東京のような大都市ではありません)。中心から少し離れた場所ですが、この近くには地下鉄が走っており、また、バスや路面電車(トラム)があり、それなりに交通の便はあります。また、国鉄の駅もあります(ただ、ミラノでは交通手段としての電車は、あまりメジャーではありません)。
このように土地もたくさんあり、交通手段もあり、しかも閑静な所を有効に開発をしよう、というのが今回の計画です。そのためには、まず“人を多く集める”、そして、“知名度を得る”ということが重要だと考えられます。そこで始めに計画されたのが、スカラ座の工事期間中の代理劇場「Arcinbordi」の建設です。
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このイメージは正面です。この正面ファサードに見受けられるT字型の物は庇です。この形は、この後ご紹介する他の建物でも見受けられる“建築的言語”といえます。
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正面横にあるチケット売り場です。
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チケット売り場と庇が見えるイメージです。
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正面ファサードの反対側には、現在工事中の建物があります。
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側面はこのようになっています。
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紹介したArcinbordiは、とてもSolidな感じを受けます。このレポート用として、正面とチケット売り場は意識して綺麗に見える位置・角度で写真を撮りました。その2つの写真で見ると、この建物から受けるイメージはそれほど悪くありません。しかし、側面と庇の側面が写っている写真を見ると、やはりバランスのとれている建物とは言い難いような気がします。とくに側面は人の目につく部分でもあるのですが、かなりアンバランスな感じを受けます。
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