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ご覧のようにこの馬の表情は、穏やかで知的な馬のそれとは違い、荒れ狂う馬の表情をしており、体全体の筋肉の付き方その躍動感あふれる様も含め、まさに野生の馬そのものといえます。なぜレオナルドはこのような表情にし、野性的な馬にしたのかは分かりませんが、2次元に収められている時よりも、立体に起こした時の方が、さらにこのスケールが、この銅像(この絵)の持つ本来の迫力を倍化していることは確かです。ひょっとするとレオナルドは、野生の馬の持つ力強さや生命力を見抜き、現代に再立体化されることまでも見越して観察していたのかもしれませんね。
レオナルドの凄さは当然として、これを現代に起こした人たちの技術力も見逃すことはできません。前にも書いたように、数の少ないスケッチを立体に起こすことはとても大変です。その絵の持つ本来的な意味を失うことなく忠実に再現するためには、多くの模型を作成しなければなりませんし、原作者がこの世の人ではないので確認を取ることもできない状況で、多くの時間や、制作する上でのスケッチ、時には制作者なりの解釈が必要だったのでしょう。
そして、巨大な銅像の作成には、各パーツを作成して後から合体させると言う手法が使われました。これは、一気に全体を作り上げることはその大きさからも困難であるために採用されたのでしょう。これらのパーツ一つ一つも大きく、制作中の作業風景や銅像の型も展示されていました。
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