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第12回
レオナルド ダ ビンチの馬

 update 2003.01.22
レポート : 佐藤 充 / 建築デザイナー  




今回のレポートはレオナルド ダ ビンチの馬を紹介いたします。このレオナルドの馬は日本の旅行ガイドにも紹介されれているとは思いますが、ここの場所は少し郊外にあり、しかも周辺にはこの馬しか見るものがありません。よほどのレオナルド好きかマニアではない限り来ないだろう思う場所であり、また普段の旅行ではきっと足を伸ばさない方が多かろうと思いましたのでご紹介する次第です。

この“レオナルドの馬”と呼ばれる銅像は、実際にレオナルド ダ ビンチが作成したわけでなく、彼のスケッチを元にして今の時代に復刻されたのもです。
もっとも、本来のこの馬の銅像は、1400年代にレオナルドの手によって、実際に一度完成していたものなのです。しかし、その後のスペイン軍の侵略により破壊されてしまいました。ただ、このときに作成された銅像は、さほど大きいものではなかったようです。現在の銅像はどのぐらいの高さがあるのか、というと、台座から馬の頭のところまでで7m(台座抜き)、全長で9m位と、かなり巨大なものです。

1982年、この銅像は Charles Dent により、彼の財産をつぎ込んで作成され始めました。初めからいきなり巨大なものを作成したのではなく、高さ2m位のものや多くの模型が先に作成されました。これは、レオナルドの残したスケッチの数が少なく、そのスケッチを立体に起こすには多くの試行錯誤が必要とされたからです。





レオナルド ダ ビンチの描いたスケッチは、皆さんもご存知とは思いますが、彼は物をよく観察し、その原理や形態を理解するために、時には解体解剖まで行って、その構造や仕組みを理解した上で絵に起こしていたといわれています。例えば人体を描くのにも、人の体の構造がどうなっていて、皮の下に筋肉がありその下に骨があるということを、実際に人体を解剖して理解していた、と言われています。本当かどうかは分かりませんが・・・。
そのことはこのスケッチにも現れており、ただの一枚のスケッチですが、馬の特徴全てがよく表されているように思えます。このようなスケッチを実際の形に起こして、また通常の大きさとは異なるスケールの銅像にするということは、とても大変な作業だったと容易に想像できます。










中でもこの銅像の一番のインパクトは、その表情にあると思います。










 
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