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ここで一応の完成となり、この交通システムのコンセプトデザインは終わっています。ただ、私が思うには、都市とは常に発展し人が住むものであり、完全なシステムや完全な終わりはありえないとも思えます。
このコンセプトデザインは興味深く、内容も充実して見えました。それは、このように都市と人との関係を、国や政治委せではなく、産業やデザインの力で創造していこうとしているためだと思います。日本でもこのような事が実現すれば、かなり経済効果も期待できるでしょうし、諸外国からの目も高くなるのでは・・・。
2010年で使われていたキーワードに“節制と柔軟性”がありました。この2つはコンセプトデザインの中ではごく限られた意味で使用されていましたが、このキーワードはとても重要な言葉が含まれていると思います。“節制”と“柔軟性”。この2つの言葉の向こうに見られる“快適性”は、新たな価値観の“源泉”になる、と私は考えます。ちょっと話が違う気もしますが、例えるならば、今の時代では、たばこを吸うことよりも禁煙する人の方が多く、たばこを吸わない方が健康的でちょっとかっこいいような気がします。つまり、それが今の時代の価値観になっている、と言うことです。これらのキーワードは、次世代の価値観のヒントになるのでは、とも思えます。
デザインの分野から、モノを使用する側の価値観や、環境問題、経済効果まで影響を与えることができますし、デザインの分野だからこそできる未来の創造がある、と、改めて感じました。
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