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武蔵野美術大学


少年×植物 展

吉倉千尋 / 芸術文化学科

絵画のテーマはいつでもごく私的で、個人的な問題意識や興味、疑問から出発しています。それはとても小さいものばかりで、しかも主題自体は絵画の偶然性を優先するので、偶然出来たマチエールや滲みなどに反応し、一枚の作品の中でたびたびすり替わることがあります。テーマは時間も場所も全く異なった画像のコラージュの積み重ねにより変質し、現実とはかけ離れた一場面について語られています。私は常に絵画空間のそちら側に行ってしまいたいような心持ちで制作しています。絵画空間の少年達は皆、なにかしらのパルスを放ってこちらにおいでと呼びかけているようです。ですから、作品内に共通して流れる冷えた静けさのようなものは彼岸と対峙した際の心のざわめきを映しているのかもしれません。

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