名のないもの、あるかなきかのもの、名づけようのない存在そのもの。それらのものたちの呼吸を私は感じる。静けさの中で、風に揺れ、光りをあびると、ものたちは白く淡く顔をだし、いろいろにふるえたり、呼吸している。かすかにいきづく小さなものたちがつくりだす、すきとおった無垢な空間は、互いに感応しあう場をつくりだし、私たちを包みこむ。