タイの首都バンコクの旧市街区ラタナコシン島は、チャオプラヤ川と運河・水路によってかたちづくられた都市である。一見無秩序に広がりを見せる都市を紐解けば水路時代の地割りや路線を残したまま時代を積層させ現代に至る都市の歴史が浮かび上がる。さらに、水の流れによってつくられた共通の構成原理が、街にも路にも家にも残り続けていることが分かった。
この構成原理を水の遺伝子と捉え、敷地の中で再構築し都市を再生していくことを試みる。街区内側の生活には水の遺伝子を解放させ、それに蓋をしてしまった表層のショップハウスは分断する壁から緩やかに繋ぐ媒体へと機能を変化させる。
人と自然と生活と社会とが混じり合いながら共に生きているバンコクの都市を再生していく。
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