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多くの女性にとってバービー人形は特別な存在。そのバービーが生誕50周年を迎え、今年はじめのパリコレ登場に続き、ミラノサローネでも60周年を迎えたKartellと共に登場した。Kartell shopでの一日限りのメガパーティでは、全てをバービーピンクで統一。バービーの似顔絵が描かれた椅子Louis Ghostや、Kartell製品を仕様した等身大バービーのお部屋のインスタレーションやバービーサイズに縮小されたKartell製品などが発表された。この二つのメーカーの共通点は樹脂を使用した製品づくり。Kartellは他にも.normaluisaというイタリアのファッションブランドとコラボレーション。Glue Cinderellaというとてもかわいいゴム製のフラットシューズをプロデュースした。バービー、シューズ、ピンクの似顔絵付きLouis Ghostと女子のための三種の神器が揃ったコラボレーションである。
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Kartell× Barbie メガパーティに集まった人だかり
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Kartell× Barbie インスタレーションの様子
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Louis Ghost & Lou Lou Ghost “BARBIE STYLE”
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Kartell×.normaluisa/ Glue Cinderella
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MOROSOは、ジーンズブランドのDIESELとコラボレーションして、今の空気感やライフスタイルを体現したCAMPとROCKという二つのコレクションを製作。ROCKコレクションはレントゲン写真の原理を用いた幻想的な雰囲気のもの、一方のCAMPコレクションは、ジーンズというマテリアルを活かした作品になっている。
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MOROSO×DIESEL/Wilbert Das & Patrizia Moroso
まるで現代のスティルライフのような静かな美しさがあるスクリーン(Natura Morta),テーブル2種(Xradio1Razza, Xradio2Disk)
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MOROSO×DIESEL CAMPコレクションは外にテントを作って発表。テントには木立の写真のプリントが施されている。 |
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MOROSO×DIESEL Camulus chair/ Wilbert Das & Patrizia Moroso ジーンズの染めがそのまま座面や背面に転写してしまったような椅子。
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またMOROSOはもう一つの試みをショールームで行なった。アフリカとMOROSOの文化的融合である。「アフリカは生命力の源、インスピレーションの泉」がテーマの今回の展示。会場デザインに現代アフリカのアーティスト、デザイナー、建築家を起用し、アフリカのクラフトマンシップとPatricia UrquiolaやPhilippe Bestenheiderのコラボーレションによる新しい家具を発表した。またこれまでに発表してきた名作椅子の数々も新たにアフリカ色に塗り替えられ新しい表情を見せるなど、徹底したアートディレクションで来場者にため息をつかせた。
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MOROSO ×African craftsmanship / M’AFRIQUE 会場全体の色と雰囲気 ざらついた空気感がアフリカっぽい。
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MOROSO ×African craftsmanship/MOROSOとアフリカのクラフトマンシップとの連携の道筋を作ったTodd BoontjeのShadowy Collection。
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Patricia Urquiolaデザインの名作椅子も絞り染めのファブリックで印象が一転
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吉岡徳仁 / Bougnet chair
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企業同士のコラボレーションのみではなく、企業とアーティストのコラボレーションも活発化。ミレニアム以降特に顕著なアートとデザインの境界が混じり合う流れを見ていると、結果としての表現手段には垣根がないことをあらためて実感する。
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ZUMUTOBEL×Olafur Eliasson/ Starbrick
デンマークのアーティスト、Olafur Eliassonがコラボレーションしたのは、ドイツの照明メーカーZUMUTOBEL。幾何学を利用した星形照明を一つのモジュールとして、空間の中で無限に増殖させることができるライティングシステム。
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nanimaruquina×Michael Lin/ Formosa
多くの現代アーティストが空間におけるアートの可能性を示唆してきたが、近年インテリアデザインとしてのスペースアートの可能性を私達に気づかせてくれたのは、ジム・ランビーとMichael Linであったように思われる。Michael Linとドラマティックなカーペットで人気急上昇中のnanimaruquinaのコラボレーション。
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Established&sons×Richard Woods &Sebastian Wrong/Bricks & Mortar
既に発表されていた二人の作品をEstablished&sonsが融合したソファ。「固いレンガ、柔らかいソファ」という先入観をパラドクシカルかつユニークに表現している。
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今年新しく誕生したメーカーやブランドを紹介。
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メンディーニやマジストレッティがデザインしたデイリーユースの家具を製造し、市場で高い評価を得ていたBaleri社が、ファションビジネスを手掛けているcerutti社の傘下に入ったのが2004年。それから5年後の今年、新たにcerutti baleriブランドとして再生した。Jeff Millerによるシンプルなデザインのアイテムで、フレッシュでクリーンなブランドイメージを創出した。
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bloom/Jeff Miller
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scalo/Jeff Miller
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platone/Jeff Miller
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デザイン雑貨や照明で急成長しているNormann Copenhagenが、満を持して家具ブランドを立ち上げた。これまでの製品と共通するコンテンポラリーかつキュートでユニークなイメージは継続しながら、デンマーク伝統の家具製造を受け継ぎ、丁寧で暖かみのある仕上がりが特徴となっている。
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Camping Furniture / Jesper K. Thomsen
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Collect Bookcase/ Ole Jensen
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Play children’s furniture/ Jesper K. Thomsen
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今年のサローネがデビューとなった新メーカー。イタリアの中堅デザイナーを核に、ドイツやオランダなどの新しい才能にも目をつけたパワフルなコレクションを展開。全体的にブランドイメージがまとまりきれていない印象はあるが今後の展開が楽しみ。
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ミラノ市内のショップの様子
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OPPIACEI SENECIO CINERARIA/ Diego Grandi, Manolo Bossi |
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Domestic Tales SCISSOR ROCKING CHAIR/ Kiki van Eijk
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SQUILIBRI/ Philippe Nigro
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今年最も多くのメーカーの会場で目にしたデザイナーの名前の一つがFront。スウェーデンで活躍する4人の女性達は既に日本でも有名な存在だが、今年発表された作品はいづれのメーカーにおいても視覚の魔術を駆使した楽しいデザインのものばかり。特にmorosoのmomentシリーズはコミカルでチャーミングな作品であり、またmoooiのblow away baseには知性と詩的な要素が感じられる。表現方法を限定しながらも多様な表情を見せられるところにFrontの魅力がある。 |
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SKITSCH/ BOOKSHELF SIDETABLE |
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MOROSO/ moment collection |
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MOROSO/ moment collection |
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Moooi/ blow away vase |
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来年はますます飛躍の年になるであろう予感をさせたデザイナーが、リュブリアナでデザイン活動を行うNika Zupanc。Super studio piu内での個展では人形の家をイメージした建物をデザイン。オスカー・ワイルドが描いた老主婦・ダロウェイ夫人の名を冠したホットプレートや、ゆりかご、昨年moooiから発表された照明Nikitaのペンダントなど、一人の女性(イメージとしての主婦)の人生のステージやステータスを独自の視点でシンボライズした家具を展示し、その才能を十分に証明していた。 |
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exhibition “I Will buy flowers myself” |
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真ん中左に映っている丸いものが、ホットプレート。コンパクトの形をしている |
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Boris,Uladimir & Alexander(ゆりかご)とLolitaペンダントライト |
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昨年と比較して全体的に形式化されたデザインが目立った今年のサローネサテリテ。そんな中でも今年も多くの日本人デザイナーが参加し、注目を集めていた。中でも特に目を引いた作品を数点紹介。
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フィンランドで活躍するArihiro Miyake(三宅有洋)氏のモジュール式のパーティション。今年のDesign Report Award Special Mention受賞作。
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室井淳司氏 / Wan Mock 笹舟をモチーフにした美しいお昼寝用の寝椅子。大勢の観客の前で堂々と寝ていた室井氏の度胸に拍手!
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PORE 根本崇氏/DEL DEL & AQU AQU 横にスライドして開くキャビネットDEL DELと観音開きキャピネットAQU AQU。完成度の高い作品
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長谷川滋氏/ Hana Table 5枚の花びらを組み立てて脚部にするテーブル
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昨年同様、サローネをブランドプレゼンテーションの場として捉え、そのスタイルを貫いた数々の日本企業。初参加の東芝、2回目となるPanasonic及びCANON、5回目のLEXUSを筆頭に静謐で繊細かつ濃密な世界を作り出していた。 |
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東芝 / OVERTURE / 東芝 + takram + 松井亮
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Panasonic/MODIFY / 深澤直人×パトリシア・ウルキオラ×マルティノ・ペルギンツ
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LEXUS/ LEXUS ART EXHIBITION crystallized wind / 藤本壮介
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CANON/NEOREAL / 平田晃久×松尾高弘
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トリエンナーレディミラノに出展した日本産業デザイン振興会の展示の様子
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同じくトリエンナーレディミラノに出展したTokyo Fiberの展示の様子。最先端のファイバーを使用した、最高のメンバーによるデザインがとても素晴らしかった。
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