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2007 ミラノサローネ特集
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鈴木 敏彦 : Milano Slone 2007 Report !
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ドリームカムトゥルー展は、そんな海外進出の夢を具現化したプロダクトが一挙に集まった展覧会でした。整然と並べられた製品たちは、サテリテのプレゼン色の強い展示とは一線を画して、殿堂入りした風格さえ漂わせています。ジャンルごとに並べられた作品を見ていくと、メディアで見たことのある作品が幾つもありました。NENDO、AZUMI、ハッリ・コスキネンといった名前をプレートで確かめるたびに、サテリテが、若手のデザイナーにとって登竜門の位置を占めてきたことがわかりました。

また、日本人の名前も多く見られ、ここ数年にジャパンデザインがイタリアでも認められてきた印象を強くしました。いろいろ写真を撮りたかったのだが、ドリームカムトゥルー展は「ノーフォト」が徹底されており、写真撮影がほとんど許可されない代わりに、カタログの内容が充実していました。


キュービックフローター

トランスフォーム(変容)部門に位置づけられたキュービックフローター。今年度のサテリテのパンフレットとろうそくが梱包されています。キャプションは「保護可能なオープンフレームのパッケージ」。2005年に展示した際には、イタリアの富豪から、100年もののワインを入れて展示したいという問い合わせがありました。現在は、株式会社中川パッケージが海外からの問い合わせにも対応しています。



鈴木先生の作品は、アルミハニカムの棚「AHF」と、中身を中空に浮かせるパッケージ「キュービックフローター」でした。それぞれ、100%デザイン等、国内では良く目にする製品だけに、はるばるミラノの地でデビューしたという作品の経緯に重みを感じました。


サテリテ入り口

シンプリシティ(単純明快)部門に位置づけられた家具たち。中央奥の棚がAHF。



さて、サローネの会場の広さと、入場登録の煩雑さは周知の通りですが、サテリテのみ無料で入場できるという話は、案外、知られていないのではないでしょうか。会場の外を周遊する無料バスに乗って、入り口から反対側まで行くと、10時半開場で中に入ることができます。
蛇足ですが、ミラノ市内の各イベントを回るには地下鉄の10回券(カルネ)が便利だったことと、連日、歩き回るにはローヒールの靴が適していたことをここに付け足しておきます。


AHF(アルミ・ハニカム・ファニチャー)

AHF(アルミ・ハニカム・ファニチャー)。杉田エース株式会社と、モリシン工業株式会社から販売している。キャプションには、「アルミをスマートに使用して、強さと透光性を実現した。Dieter Ramsもうなづくだろう」Dieter Ramsはシンプルさを追求したドイツの工業デザイナー。



個人的な感想としては、相変わらず勢いの良いオランダのデザイン(マルセル・ワンダース、マールテン・バース、moooi)、世界中でラグジュアリーの代名詞になりつつあるスワロフスキー(クリスタル・パレス)、シリコンを充填したソファーがアート的なガエタノ・ペッシェの展示が印象深くありました。また、伊藤節・志信さんの事務所で修行している、本学での教え子と再会したり、細江勲夫さんのオフィスを訪ねたことにも大きな刺激を受けました。


Avverati 、A Dream Come True展の一式

Avverati 、A Dream Come True展の一式。3D印刷の目録、 カタログ、ポスター。ポスター裏には、過去10年間に サテリテへ出展したデザイナーの名前がすべて記録されている。


このデザイン三昧の数日間の印象が、今年1年の授業のモチベーションに反映されるといっても過言ではありません。この熱を作品と学生に還元するべく、アッローラ, アンディアーモ!(では、行きましょう!)


リナシェンテ・デパートのディスプレイに写った、ドゥオモ(大聖堂)

ミラノ市内。リナシェンテ・デパートのディスプレイに写った、ドゥオモ(大聖堂)。サローネ期間中、デザイナーや建築家の有名どころが、ディスプレイをカスタマイズしていました。


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