JDN / 2005 ミラノサローネ速報 / 柳原照弘（isolation unit）


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柳原照弘（isolation unit） : Milano Slone 2005 Report !

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写真左 : 開放されていた、安藤忠雄のアルマーニテアトロ。詳細は本文へ　↓

市の南西トルトーナ地区では毎年話題をさらうsuper studio piúとともに安藤忠雄のアルマーニテアトロが開放されていた。ミラノの町並みに刺激を与えないニュートラルなファサードデザインだと思いきや、突如現れるコンクリートのヴォイドは十分挑発的。安藤忠雄の過去のボキャブラリーが凝縮された真っ直ぐ続く一本の長い通路は、その先に特別な場所が待っている事を示唆させる上質な演出だ。

安藤忠雄によるアルマーニテアトロ
　

ドゥオーモ北西に位置するセンピオーネ公園内にあるジョヴァンニ・ムツィオ設計のトリエンナーレ展示ホールの庭ではOPEN AIR DESIGNと称し、ガエターノ・ペッシェ、エットレ・ソットサス、ロン・アラッド、ファビオ・ノーヴェンブレ、ピエロ・リッソーニや日本からは伊東豊雄、喜多俊之など世界的に評価されているデザイナーが作品を発表。活躍の舞台を共にする彼等だが、素材使いやコンセプトから民族的なアイデンティティを感じとることができる。

ドロミテ山脈生まれのソットサスによる大理石の美しい佇まいはこのミラノの地でさらに輝いて見えた。見とれてしまうソットサスと反対に座って見たくなるのがリッソーニの作品。ソファーの形状をしたモルタルベンチ。視覚と触感の絶妙なコントロールはさすがだ。

エットレ・ソットサスの大理石の椅子
　

ピエロ・リッソーニのソファ型ベンチ
　

フオリはメーカーだけでなく様々な国も参加している。デザイナーズブロックUKの会場では日本人デザイナー数組が国籍を越えて参加しており、f.a.tは新素材セルマーを使用した椅子を発表。
見た目のとげとげしさに反して座るとゆっくり沈んでいく。
http://www.fatfatfat.net

そしてデザイナーズブロックらしい作品を展開するロンドンのデザイナーKate Storer 一見可愛いグラフィックの裏には性欲という、相反するテーマが潜んでいる。
http://www.katestorer.co.uk

この2組は全く違うプロダクトだけど、差異をねらったコンセプトは前出のリッソーニのベンチに通じるものがある。

f.a.tの椅子
　

ケイト・ストラーの作品
　

そして今回スウェーデンはSwedish Style Milanと称した大規模な展示を行った。フィエラの北東の古い粋なホテルを採用し、アスプルンドやスウェデッセなど自国を代表するメーカーやデザイナーの展示を行った。僕はこの中で、2月に行われたストックホルム家具見本市から選出された家具を発表した。

フィエラから続く道にはジュゼッペ・テラーニのミラノにおける代表作カサ・ルスティチやジオポンティによるパラッツィーナ・ランダッチョを目にする事ができる。

ジュゼッペ・テラーニとピエトロ・リンジェーリ設計のカサ・ルスティチ
　

ジオ・ポンティ、エミリオ・ランチャによるパラッツィーナ・ランダッチョ
　

会場では氷で埋め尽くされたアイスバーの中でウォッカが振舞われたり、展示されている家具が実際に使えたりと、デザイン王国スウェーデンならではの素晴らしい演出で溢れかえる来客をもてなした。そして日本人である僕に展示の機会を与えてくれたことで、スウェーデンのデザイン王国たる所以を身をもって体験する事ができた。

スェディッシュスタイル会場
　

アイスバーの中で氷でできたグラスにウォッカが注がれる
　

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