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2004ミラノサローネ特集
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Milano Design Week

今年は青空と夏のような日差しという恵まれた天候のなかでオープニングを迎えたミラノ・サローネ。家具だけでなくデザインそのものにスポットを当てるため、主催者COSMITは新しい標語 “Milano Design Week” をかかげました。デザインの送り手と受け手の両者に、ミラノが “デザインの発信地” であるということを再確認してほしい、家具にとどまらないデザインを楽しんでほしい、というメッセージが込められています。
特にALESSI社は今年、サローネ会場内ではショールームを設けて、様々な企業とのコラボレーションを含めた多様なデザインをアピールし、フィエラ・サローネ (会場の外) のトリエンナーレ会場では、FIAT社製の自動車 《Panda ALESSI》 を発表していたのがとても印象的でした。

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FIAT Panda ALESSI プレス資料より。

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"Milano Design Week"を象徴するような作品《FIAT Panda ALESSI》。

また、サローネといえば往年の人気デザイナーの新作が気になるところですが、実際にミラノを歩いてみると、例えば、Philippe Starckのデザインは斬新さよりも 「らしさ」 というか、ネーム・バリューのほうが勝っている印象が強く、今年は巨匠たちにもまして若手デザイナーの作品をよく見かけたことは、ちょっとした驚きでした。
去年よりもパワーアップした展示で多くのビジターを惹きつけていたMAGIS社のブースを例にとりますと、サローネ内外でその名をよく見かけるRonan & Erwan Bouroullecデザインによる 《Striped Collection》 椅子シリーズを筆頭に、人気デザイナーからビッグ・ネームになりつつあるKonstantin GrcicやStefano Giovannnoniはテーブルを、Jasper Morrisonは折りたたみ式椅子などを発表しており、ブース全体が活気づいていました。

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MAGIS社ブースの2階。発砲スチロールでできた子供用椅子 《seggiolina pop》 デザイン:Enzo Mari

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《puzzle carpet》 デザイン:Satyendra Pakhale

フランス人であるBouroullec兄弟のデザインする作品は、突出して自己主張する形ではありません。しかしながら、機能を追及し、形さえ印象から消えてしまうかのような彼らのデザインは、「一度かいだだけの香水のように記憶に残ってしまい、もう一度確かめたくなるような」 不思議な感覚を残します。この 「不思議さ」 は今後さらに多くの観客を呼びそうです。

さらに同社ブースについては、メゾネットのようになっており、2階へ上がると幼児用家具などを集めた 《me too》 コレクションが広がっています。そのかたちや色、そして発想の楽しさに、他社ブースの2倍楽しむことができたような気分になりました。その2階にさりげなく山盛りにされた子供用の椅子 《seggiolina pop》 はEnzo Mariのデザイン。
巨匠たちも一人のデザイナーとして常に真剣勝負をしている、その無言で語りかけてくる仕事ぶりには感嘆せざるをえません。

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ユーザー・インターフェースもかわいらしく仕上げられている。デザイナーのStefano Giovannnoniは言う。「この自動車は、若い層、特に女性をターゲットにしてデザインされています。」

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サローネ会場内のALESSIのショールーム

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デザイン:Javier Mariscal, El Ultimo Grito, Marti Guixe 特に、サッカーボールに見えるのは、Martiデザインのビニール・テープ 《football tape》 を紙に巻きつけたもの。

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手前から 《upside down chair》 と 《puppy》 デザイン:Eero Aarno



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