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ブレードの帽子

人の表情やシチュエーションに寄り添う

日本語で真田紐とも呼ばれる、「ブレード」という、麻でつくられたテープ状のひもを縫い繋げてつくっている帽子です。少しつばがあって、カンカン帽よりは日に照らされずにかぶれる形です。大人の女性がワンピースをさっと着て、この帽子をかぶってもらうようなイメージでつくりました。

帽子って少し派手な色や形のものだと、かぶっている途中で恥ずかしくなるというか、トゥーマッチ感があって外したくなると思うんです(苦笑)。だからデザインする時には、ずっとかぶっていられるかという想定はしています。帽子単体としては素敵だけど、かぶらなくなってしまうっていうのはもったいないので。

「TERAIcraftment」のブランドコンセプトは、一言でいうと、“ありそうでなかった帽子”。シンプルでコーディネートに合わせやすい帽子はたくさんあると思うんですが、帽子ありきではなく、被る人の表情やシチュエーションに自然に寄り添える帽子っていうのを考えてデザインしています。

ルックブックもそのイメージでつくっていて、モデルはぜんぶ知人に出演してもらっているんです。その人のイメージのリアリティを持たせつつ、時にファンタジックに考えてディレクションしています。“帽子との出会いの場をつくる”というのもテーマのひとつで、人と帽子が出会うきっかけづくりになれたらなって。

■夏の過ごし方・思い出

夏=旅のイメージが強いですかね。両親の田舎が徳島で、夏の間は毎年帰省してました。ちょっと暑くて蒸した空気を感じながら渡るフェリーは印象的で、いまもその空気感を覚えています。でも徳島の夏というと、やっぱり阿波踊りに尽きるんですよ(笑)。私はもっぱら観る方でしたが、子どもからおじいちゃんまでいろいろな世代の方がいて、見ていてグッとくる本当に踊り上手な方もいっぱいいます。まだ見たことのない方には、ぜひ生であの感動を味わってもらいたいですね。

夏は体が特にスパイスを欲します。普段から行きたいカレー屋リストをつくっていて、おいしいカレー生活をしています。実は辛いものは得意ではないんですが…(笑)。あとこの夏は、暑い京都にあえて行こうかなと思っていて。川床とか京都の人たちが涼を取るために考えたことを楽しめたらいいなと考えています。「京都でひとり飲み」っていう本を買って、いま妄想を膨らませているところです。

武市曉

多摩美術大学工芸学科卒業。メーカー勤務を経て、国内アパレルのさまざまなブランドのOEM・ODM帽子製造に企画営業・職人として関わる。2014年に日本の製帽技術を活かした帽子ブランド「TERAIcraftment」を立ち上げ、帽子の企画・製造を行っている。ブランド名の“テライ”は、明治時代に帽子という意味で使われていた言葉で、そこに「クラフトメント(工芸や手仕事をもとにして)」という意味をくっつけた造語。「手仕事をもとに作りだす帽子」という意味で名付けられている。

https://www.terai-craftment.com/

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