初開催の「グッドデザイン・ニューホープ賞」、最優秀賞は家庭環境に問題を持つ若者を支援するプロジェクト

前列左から審査副委員長の齋藤精一さん、受賞した奥村春香さん、審査委員長の安次富隆さん 前列左から審査副委員長の齋藤精一さん、受賞した奥村春香さん、審査委員長の安次富隆さん

日本デザイン振興会が主催する「グッドデザイン・ニューホープ賞」の結果が12月3日に発表された。最優秀賞を受賞したのは、家庭環境に問題を抱える若者をサポートするプロジェクト「第3の家族」。

クリエイターを目指す専門学校・大学・大学院の学生や、卒業後間もない若手クリエイターを対象に、今年度からスタートした「グッドデザイン・ニューホープ賞」。「出会いたい。これからの世界をつくる新しい才能たちと。」をキーメッセージに、新たなクリエイティブ人材の発掘とキャリア蓄積を支援し、デザインを通じた新たな産業・文化の発展に寄与することを目的としている。 

初年度となる今年は414件の応募があり、91件が受賞。うち8件が最終審査へ進み、法政大学デザイン工学部システムデザイン科既卒・奥村春香さんによる「第3の家族」プロジェクトが最優秀賞に選出された。「第3の家族」プロジェクトは、家庭に問題を抱えるものの既存制度の支援対象には該当せず苦しむ若者を、第三者が付かず離れずの距離で支援するためのプロジェクトだ。当事者性のあるコンテンツ、スピード感をもってサービスを実装し試行錯誤しながら推進させていく熱量に高評価が集まった。

同賞の審査委員長を務めるプロダクトデザイナーの安次富隆さんは審査を振り返り、「応募提案には共通して『熱量の大きさ』があり、それぞれの理想があった。皆さんの才能に心動かされるとともに、改めてこの賞を設立した意義を感じた。受賞にいたらなかった提案も含め、審査資料から思いがしっかり伝わっている」とコメントしている。同賞の事務局および審査委員は、最優秀賞を含む91件の受賞者に対してワークショップや企業見学などの多様なプログラムへの参加機会を通じ、キャリア支援と継続的なサポートを提供していく。

グッドデザイン・ニューホープ賞 公式ホームページ
https://newhope.g-mark.org/

「第3の家族」プロジェクト
https://daisan-kazoku.net

初出:コンテスト情報サイト「登竜門」
https://compe.japandesign.ne.jp/news/2022/12/67552/