コレクション展「染付誕生400年」

染付蝶文稜花皿 肥前 日本・江戸時代 17世紀 根津美術館蔵 山本正之氏寄贈 染付蝶文稜花皿 肥前 日本・江戸時代 17世紀 根津美術館蔵 山本正之氏寄贈

日本国内で磁器生産が始まったのは、今からおよそ400年前、朝鮮半島より渡来した陶工・李参平が肥前(現在の佐賀県)の地で初めてその焼成に成功した元和2年(1616)とされている。それを記念し、根津美術館では「伊万里焼」として知られる肥前磁器の歴史を振り返る展覧会を開催する。

白く、硬く、清潔な磁器は長らく中国が生産の中心地で、世界中が憧れたやきものであった。そのような中、中国に次いで世界的産地となったのが肥前だった。肥前磁器は、染付や白磁から始まり、青磁や色絵、金欄手へと飛躍的に発展し、17世紀後期にはヨーロッパ各地へ輸出されるなど、江戸時代を通して隆盛を極める。

本展は、1998年に実業家・山本正之(1920-2000)が根津美術館へ寄贈した作品を中心に、17世紀初頭から19世紀までの肥前磁器を概観するものである。山本コレクションは、清らかで端正な寛文(1661-73)・延宝(1673-81)期の染付や、鍋島の小品など日本国内で楽しまれた器が多い点にその特徴がある。本展で、江戸時代の日本人が生活のなかで大切に伝え、扱ってきた美しい器をご堪能いただければ幸いである。

さらに庭園内の茶室では、現代作家の磁器作品を展観する期間限定の特別催事を開催。展覧会とあわせてご覧いただくことで、17世紀初頭から現在に至るまで、約400年におよぶ日本磁器の多彩な魅力が楽しめる。

【関連イベント】
●特別催事「現代6作家による 茶室でみる磁器の現在」
1月20日(金)~1月22日(日)加藤委(弘仁亭・無事庵)
1月27日(金)~1月29日(日)庄村久喜(弘仁亭)、新里明士(披錦斎・一樹庵)
2月03日(金)~2月05日(日)今田陽子(斑鳩庵・清渓亭)
2月10日(金)~2月12日(日)和田的(閑中庵・牛部屋)
2月17日(金)~2月19日(日)十四代今泉今井衛門(重要無形文化財保持者、弘仁亭・無事庵)

開催期間 2017/01/07(土)~2017/02/19(日)
※イベント会期は終了しました
時間 10:00~17:00(入館は閉館30分前まで)
休館日 月曜日(ただし、2017年1/9は開館)、年末年始、1/10
入場料 一般1,100円/学生800円/中学生以下は無料
会場
  • 根津美術館
  • 展示室1・2
  • 東京都港区南青山6-5-1
会場電話番号 03-3400-2536
会場URL http://www.nezu-muse.or.jp/