山口聡一個展「The Paint of Mount Fuji 」

Overlap of paint (Red Mount Fuji) 730mm×1167mm アクリル、ジェッソ、キャンバス 2019 Overlap of paint (Red Mount Fuji)
730mm×1167mm アクリル、ジェッソ、キャンバス 2019

この度EUKARYOTEでは、富士山展3.0「冨嶽二○二○景」に関連し、山口聡一による個展「The Paint of Mount Fuji」を開催いたします。

山口聡一は1983年千葉県生まれ、2010年に東京藝術大学大学院修了。大学院在学中に2006年「GEISAI#9」にて金賞とhiromiyoshii賞を同時受賞し、08年の「モスクワビエンナーレ」への参加に加え、香港のアートフェアなどにも出品。これまで国内外で作品を発表してきました。

山口にとって「観る」という行為は視覚的な問題だけではなく、パラダイム・シフトが起きた時にそれまでとは全く異なる捉え方ができ、新たな一面が見えてくる、という観念の領域でもあると言います。

それは、人間の尺度とそれ以外の視点から観る絵画の見え方の差異への興味に繋がり、平面とされる絵画にも、実際には物理的に絵の具の層の重なりがあるという考えから、二次元である絵画作品を三次元的に錯覚させる絵画制作によって研究されてきました。

今展では、横山大観の「雲中富士」や、葛飾北斎の富嶽三十六景に描かれた富士山をモチーフに取り組むなど、日本人の誰しもが抱く古典的なイメージを飛躍させ、違和感を呼び起こすパースペクティブと山口の独特な色彩感覚によってポップに描きながら、物理的に塗り重ねられた絵の具そのものに焦点をあて、既知のものを視覚と観念のフィルターを通すことで変容して見える絵画そのものと構造について鑑賞者にも示唆を与えています。

また前回に引き続き、本展でも陶器を素材とした新作も公開します。今回は、アンディ・ウォーホルの作品「マリリンモンロー」から引用し、一度陶器としてマリリンの立体を制作してから割ったのち、破片の展開図を金継ぎのようにつなげて2次元のように置き換えることで、アイコン的なイメージが変容していく様子を形にしています。

2020年という節目の年において、古来から数多くの作品の主題となった富士山に独自の感性を持って挑む山口の作品を、ぜひこの機会にご高覧賜りますようご案内申し上げます。

《本文は公式サイト紹介文より抜粋》

【関連イベント】
●オープニングレセプション
日時:2020年1月10日(金) 18:00~20:00

開催期間 2020/01/10(金)~2020/01/27(月)
※イベント会期は終了しました
時間 12:00~19:00
休館日 月曜日
入場料 詳細は公式ホームページをご覧ください
参加アーティスト 山口聡一
会場
  • EUKARYOTE
  • 東京都渋谷区神宮前3-41-3
会場URL http://eukaryote.jp/
詳細URL http://eukaryote.jp/exhibition/soichi_yamaguchi_2020/