今村文 個展「温かい家 -my red flowers-」
東京のCAVE-AYUMI GALLERYにて、「今村文 個展『温かい家 -my red flowers-』」が2026年4月12日まで開催されています。
—以下、公式サイトの紹介文を抜粋—
本展は、今村文が2015年に愛知県美術館で開催された展覧会「芸術植物園」において初発表した「温かい家」を起点に構成されます。本作は水彩とコラージュによる紙作品のシリーズで、初展示では30点の作品が壁一面に配置される、ひとつのインスタレーションとして発表されました。「なぜ赤い花か、それは描きたかったという他に理由はなかった。」と今村は語っています。その結果として現れたのは、密度が高く反復的で、没入感のある視覚の場であり、それは自然のイメージというよりも、想像の中の空間のように感じられるものでした。
作品が並べられていくなかで、枝や根は次第に内臓や毛細血管を想起させ、身体の内側にいるような感覚―包まれ宙づりにされ、抱えられているような感覚―を呼び起こします。絵画を「内側の空間」として捉え、言葉でははっきりと名づけられないものを内包する構造として考えることは、本作、そして今村の制作の核となっています。それは特定の物語や象徴的な解釈を提示するのではなく、開かれたままの固定されない「内側の構造」を提示しています。
今村は、日本の解剖学者・思想家である三木成夫の思想に長く共感してきました。三木は、心は脳に宿るのではなく、内臓に宿るのだと述べています。こうした考えは今村にとって重要な出発点となりましたが、その思考は制作を通してさらに展開し、近年の作品において、心の在処はもはや固定されたものではありません。それは内臓の中だけにとどまるものでも、身体の内側に閉じたものでもなく、関係性や触れ合い、距離の感覚の中で、外へと巡っていくものとして感じられます。
「温かい家」は当初30点組として構想されましたが、今村は後に偶数であることが全体のまとまりを損なっていると感じるようになります。未完の感覚をともなっていた本作は構想から10年を経て、本展で新作を加えた35点組として発表されます。あわせて、その考えを広げ、ギャラリー空間全体へと展開する20点以上の新作も展示されます。これらの新作は、オリジナルのシリーズを繰り返すものではなく、対話をさらに広げ、鑑賞者それぞれの感覚が多層的に関わっていくことを可能にします。
また、「温かい家」はギャラリーの外でも新たな展開を見せ、タオの2026年春夏コレクションで衣服として発表されました。本展ではその一部も展示し、作品が身体の動きや衣服という別の言語へとどのように翻訳されたのかを紹介します。
今村が2023年に母となった後に制作された新作には、ささやかでありながら重要な視点の変化が表れています。かつては自分を守る外側の殻のように機能していたものは、今では内側から静かにひらかれていきます。温かいものを抱くと、自分自身も温かくなる。この広がりの中で、「家」はもはや安心や居場所の比喩ではなく、内と外の境界が静かにやわらいでいく、そのための身体的な構造として立ち現れています。
| 開催期間 | 2026/03/07(土)~2026/04/12(日) |
|---|---|
| 時間 | 12:00~19:00 |
| 休館日 | 水曜日、木曜日 |
| 入場料 | 無料 |
| 参加アーティスト | 今村文 |
| 会場 |
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| 会場URL | https://caveayumigallery.tokyo/ |
| 詳細URL | https://caveayumigallery.tokyo/FumiImamura_TheWarmHouse_release_2026 |




