山口啓介-カナリア

山口啓介(1962年-)は、同時代の事象を敏感に感受し、独自に表現した作品で今もっとも注目される作家の一人である。
作品からは、生と死、再生といった人間にとって根源的なものに対するまなざしが感じ取れる。それはまた、現実世界のさまざまな出来事にも向けられていて、私たちの生を取り巻く環境に思いを至らせる。そこには、芸術家が真摯に「生きる」ことを見つめ、そしてまた過去に学び、あるいは社会の情勢を敏感に感じ取り、それとの関わりのなかから作品を生み出そうとしている姿が見られる。
現代世界においては、国内に目を向けると震災と原発事故からの復興が未だ先が見えない状況にあり、国外を見渡しても地域紛争が絶えず繰り返されている。私たちの世界に起きている災難は、誰もが犠牲者になる可能性があることを示している。このような状況下にあって、芸術家は有害ガスをいち早く感じ取り周囲に知らせたという「炭鉱のカナリア」の役割を担うことができるのだろうか。
本展覧会は、山口啓介の初期の代表作である版画作品からその後の絵画作品、そして新作など数十点によって作家の活動に迫り、作品の本質を露わにしようとするものである。鑑賞者は山口の作品を通して、世界に起きているさまざまな事象を考え、自分の身の回りの出来事を振り返るきっかけを得ることだろう。
【関連イベント】
●講演会「山口啓介の図像世界」 松本透(東京国立近代美術館副館長)
日時:2016年2月11日(木・祝) 14:00~15:30
●アーティストトーク 山口啓介
日時:2016年2月21日(日) 14:00~15:30
●対談:加納光於(画家)×山口啓介
日時:2016年3月20日(日) 14:00~15:30
●ワークショップ「共作でつくる、レイヤーペインティング」
2016年3月27日(日) 14:00~17:00
講師:山口啓介
対象:小学生~大人
定員:24名
会場:ワークショップルーム
※参加無料、要申し込み
開催期間 |
2015/12/19(土)~2016/04/03(日) ※イベント会期は終了しました
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時間 | 10:00~17:30(入場は閉館30分前まで) |
休館日 | 月曜日(祝日の場合は開館)、12/28~2016年1/4 |
入場料 | 一般800円/高校・大学生500円/中学生以下無料 |
参加アーティスト | 山口啓介 |
会場 |
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会場電話番号 | 0565-34-6610 |
会場URL | http://www.museum.toyota.aichi.jp/ |
詳細URL | http://www.museum.toyota.aichi.jp/exhibition/2015/special/Canary.html |