2007年に東京都写真美術館で開催された個展「熊野、雪、桜」から約8年。鈴木はライフワークともいえる熊野での撮影を継続し、雪、桜のシリーズも制作を続けてきた。

本展はこれらの新作・近作に、新シリーズ「水鏡」「Étude」を加え構成されている。近年、鈴木は「『見るということ』そのものを提示したい」と語っているように、写真の特性と視覚の問題に関心を向けている。「何が写っているか」を示すだけでなく、「見るという経験とは何か」を問いかける装置として写真をとらえ、写真表現の可能性に向かう鈴木の作品は、私たちに清新な視覚体験をもたらしてくれるにちがいない。

【関連イベント】
●対談シリーズ「木曜教室」全3回
時間：各回19:30～（19:15開場）
会場：東京オペラシティ アートギャラリー
定員：60名
料金：当日の一般入場券（一律1,200円）
※全席自由、要予約

対談1　植島啓司（宗教人類学者）×鈴木理策
日程：8月6日（木）※終了

対談2　石川直樹（写真家）×鈴木理策
日程：8月27日（木）

対談3　清水 穣（美術批評）×鈴木理策
日程：9月10日（木）