銀座メゾンエルメス フォーラムでは、シンプルな「線」を考察する展覧会、「線を聴く」展を開催する。私たちの想像力の源である自然の中に見出すことのできる線や、線の生まれる場所に焦点をあてた作品をグループ展形式で紹介する。

本展は、東京・森美術館にて開催される「シンプルなかたち展：美はどこからくるのか」に呼応する形で開催される。

フォルムと同様に「線」の表現は、美術の中でも重要なテーマとして取りあげられてきた。ドローイングやカリグラフィー、あるいは抽象絵画に代表されるように、造形美術において線についても多くの考察がなされ、作品が作られ続けている。また、私たちの文化のなかでも、科学の分析図や地図、楽譜、文字など、美術を超えた領域でも線を使った描写は広く普及している。壮大な線をめぐる文化史のなかで、本展は密やかな線に耳を澄ますきっかけ、また線に導かれるままの開かれた風景を味わう機会となることだろう。