キャプテン・クック探検航海と『バンクス花譜集』展

キャプテン・クック探検航海と『バンクス花譜集』展

1768年8月26日、ジェームズ・クックを艦長とするエンデヴァー号は、タヒチ島での金星の太陽面通過の観測のため、イギリスのプリマス港から太平洋へ出帆した。約3年にも渡る、波乱に満ちたキャプテン・クック第一回太平洋探検航海の始まりである。

本展は、この探検航海で採集した植物を描いたドローイングをもとに製作された『バンクス花譜集』を、タヒチ島を中心としたソサエティ・アイランズ、ニュージーランド、オーストラリア、ジャワの4つの滞在地に分けて紹介することで、クックたちの太平洋における探検航海を追体験していただく試みだ。

エンデヴァー号の約90名の船員の中には、動植物などの自然科学的調査を目的とした科学班数名が含まれていた。のちに『バンクス花譜集』の出版を企画することになるジョゼフ・バンクスは、この科学班のリーダーとして、植物学者ダニエル・ソランダーや動植物を記録するための画家シドニー・パーキンソンらを参加させ、この航海で出会う膨大な数の未知の植物の採集と記録に臨んだ。

バンクスは帰国後すぐにパーキンソンのドローイングを元に多色刷りの豪華植物図譜の発行を企画し、多くの時間と労力をかけ、莫大な資金を投じて出版作業を進めた。だが、ソランダーの他界や資金の欠如などによりバンクスの生前に図譜が発行されることはなかった。
波乱に満ちた航海から200年以上ものち、大英博物館(自然史部門)に保管されていたバンクスの遺した銅版を用い、1980年代になってようやく100部限定で出版されたのが『バンクス花譜集』である。

本展覧会では、120点を厳選してご紹介するとともに、太平洋地域の民族資料、航海道具、古地図、関連書籍などを併せて展示する。『バンクス花譜集』の芸術的魅力はもちろんのこと、これらの資料を通して、クックやバンクスたちの発見と驚きに満ちた航海のドラマについても知ることのできる貴重な機会となるだろう。

開催期間 2014/12/23(火)~2015/03/01(日)
※イベント会期は終了しました
時間 10:00~19:00(金・土曜日は21:00まで/いずれも入館は閉館30分前まで)
休館日 1/1、1/26
入場料 一般1,300円/大学・高校生900円/中学・小学生600円
会場
  • Bunkamura ザ・ミュージアム
  • 東京都渋谷区道玄坂2-24-1
会場URL http://www.bunkamura.co.jp/museum/
詳細URL http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/14_banks/index.html