株式会社イーフロンティア

Shade 3D
TOKYO DESIGNERS WEEK 2013 JDNブース デザインと
施工の現場

2014/03/05 UPDATE

Vol.2イメージの共有と現場の力

スタッフ総出で組み立てた現場
作業日は一日だけというスケジュールの中、スタッフ総出で組み立てた現場
期間中は「登竜門」の新ロゴ人気投票も開催
期間中は「登竜門」の新ロゴ人気投票も開催
「巨大パズル」との格闘

JDNブースの実現にあたり、プロジェクトチームで共有したのは主にShade 3Dのパース、図面、そして模型だった。丹青社人材企画室の松村氏や松山氏らは、模型である程度は重力のバランスを想像することができたために、現場で調整しながら組み上げる方法で進めることにした。

材料は、3センチ角の杉材。3.5メートルの材を200本以上使用した。必要な長さに切断してから黒い防炎塗料で塗装し、2トントラックに積める大きさまで組み上げた。最長辺はそのままでは積めないためさらに切断し、すべてのパーツにナンバリング。接合部分はビス止めなので、うまくいかない場合は全体がしなって斜めに倒れる危険性もある。クライアントでもあるJDNのメンバーに、デザインユニットのアウンも加わって総動員で組み立てに挑んだ現場は、まるで巨大なパズルと格闘しているようでもあった。

そんな中、松村氏は「図面通りじゃなくて構わないという了解をデザインユニット、クライアントと早い段階で確認できていました。こういう展示ブースはそのほうがおもしろい」と話す。頭でいろいろ考えてしまうと、先入観や経験がじゃまをして、不可能な点ばかり見えてしまうというのだ。時に、理屈は可能性をつぶしてしまうことがある。「まずはできそうな可能性を探り、寸分たがわず仕上がらなくても、全体のコンセプトが具現化できていれば成功です」(松村氏)。空間に情報が浮いていて、来場者がその情報を探し歩く…。アウンの3人が描いたイメージはこうして形になった。

Shade 3Dと3Dプリンタでイメージを共有

今回アウンは、ブースの他にもうひとつ、鯉の光るオブジェもデザインした。これは、コンテスト情報サイト「登竜門」の「鯉が滝を昇り切ると竜になる」という故事に由来するイメージをビジュアル化させたもの。そのためのフォルムの検証と型づくりにも、Shade 3Dが活用された。

「Shade 3D上でアンカーポイントを移動しながら、鯉の外形を作り込みました。昇っている動きをつけていったりするのも、Shade 3Dではぐるぐる回しながら描けるのでスムーズですよね。それから作ったモデルを展開して、完成した形を実物大のダンボールを組み立てて、そこにLANケーブルを巻き付けて作っていきました。スタディは最初からデジタルなんですけど、ものを作るときはアナログです(笑)」(杉本氏)

ブースの模型同様、鯉のオブジェもShade 3Dから3Dプリントすることで、作業効率が上がりそうだ。「3Dプリンタはプロダクトの模型には最適だと思います。普段は削り出したりRを出したりするすべてが手作業なので、3Dでモックアップを作れれば精度も上がるし、検証にも役立つと思いますね」と吉田氏。「3D上で検証できる良さがさらに、自分の手の上で感じられるのが3Dプリンタの最大の魅力。質感が備わったらさらにすごいかもしれない」と杉本氏も期待の声を寄せている。

アウンの場合、どんなプロジェクトでも、まず3人で全体のイメージと雰囲気、世界観を共有するのにShade 3Dで描き込むプロセスがかかせない。複雑きわまりない今回のJDNブースは、早い段階からデザインと施工のコミュニケーションが円滑に図られたこと、そして最終形のイメージをShade 3Dのパースやそこから制作した模型で明確にしたことによって、難題をクリアすることができた。

Shade 3Dを活用して鯉の形状をモデリング
Shade 3Dを活用して鯉の形状をモデリング
「3Dプリンタはファサードのパターンをスタディするのに役立ちました」(稲垣氏)
「3Dプリンタはファサードのパターンをスタディするのに役立ちました」(稲垣氏)

手を動かしてものを作る現場で、Shade 3Dは思考プロセスに欠かせないツールであることは間違いないようだ。

中村竜治 氏

デザイン:AUN2H4(アウン)

展示デザイン、インテリアデザイン、建築設計をメインに活動する丹青社のインハウスデザイナーを中心とした3名で構成。現在、プロダクトデザインから空間デザインを中心に活動中。http://aun2h4.com/
写真:手前左から)杉本氏/稲垣氏/吉田氏

ブース作り協力:丹青社人材企画室

http://www.tanseisha.co.jp/
写真:奥左から)松山氏、松村氏、柴田氏

3Dプリント協力:丸紅情報システムズ株式会社
http://www.marubeni-sys.com/

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