可能性を広げる3DCG制作の現場

可能性を広げる3DCG制作の現場

2013/03/21 UPDATE

Vol.3斬新な発想を生むための極意

先鋭的な映像制作集団として良い仕事を続けていくために大切なことは何か。CGクリエイターが創作において心掛けるべきことは意外にも、日常生活を楽しむことのようだ。

水崎:朝出社して夜は定時に帰宅する。他の業界では当たり前ですが、僕たちの業界では泊まり込んで昼夜逆転するというのがなぜかスタンダードになってしまっている。だから神風動画ではきちんとしたライフスタイルを送りながら、制作に取り組もうと。徹夜を続けて机のPCの画面ばかり見ていても良い映像制作なんてできるはずがありません。家に帰って家族や恋人と話す、どこかへ行って遊ぶ、美味しいものを食べる、TVや映画を見るという中で吸収した知識や映像が頭の中に積み上がっていかないと、新しいアイデアは生まれません。

倖田來未のPV「Go to the top」ではアニメーターとしての能力を存分に発揮した清水さん。特技としているダンスの経験や知識が、この映像制作に生きたという。

清水:振り付け師さんから動画をいただいて、実写のダンス映像を見ながらアニメーションを作っていきました。画面では踊る人物の動きや表情を平面的にしか見られないので、映像には映っていない奥行きとか背中の部分などは想像するしかありません。でも私自身がダンスをやっていることもあって、ここはきっと後ろに体重がかかってるといった部分を推測できる。例えば、アゴを上げ目にすれば表情に強さが出るなといった感覚もこだわった部分です。

倖田來未のPV「Go to the top」のダンスシーンには清水さんのダンス経験が活かされた
倖田來未のPV「Go to the top」のダンスシーンには清水さんのダンス経験が活かされた
仕事以外での活動や、美大での経験、デジタルハリウッドでの知識、日常の様々なことがクリエイターの個性に繋がっていく
仕事以外での活動や、美大での経験、デジタルハリウッドでの知識、日常の様々なことがクリエイターの個性に繋がっていく

CG制作の技術を向上させていくのはもちろん必要ですが、仕事以外での活動や趣味がとても大事ですし、それがCGクリエイターの個性にも繋がっていくんだと思います。

林さんの場合は、美大で学んだグラフィックデザインと、デジタルハリウッドでの3DCG制作スキルが現在、現場で活躍する原動力となった。

:もともとグラフィックデザイナーを目指していたので、その経験はキャラクターデザインなどを手掛ける上で役立っています。美大での経験とデジタルハリウッドでの経験、もしどちらかが欠けていたら今の自分にはなれていなかったと思いますね。これからは私の得意分野を生かす意味でも、グラフィカルな一枚の静止画にこだわりながら、ユニークな映像制作を実現したいですね。

ものづくりを志す人間にとって最も重要なのは、学ぶ場。クリエイターが成長するカギはなにより「出会い」だからだ。

水崎:才能なんてなかった僕がここまでこれたのはひとえに、良い人との出会いがあったからです。同じ志を持つ仲間との出会いによって切磋琢磨が生まれ、知識や技術を共有していける。クリエイターは人との出会いによって育てられるもの。悩んだ時、相談できる仲間がいるかどうかは重要です。高校、大学、就職とスムーズに進む人より、例えば彼女たちのように専門スクールで学んだり、どこかで寄り道をした人の方が出会いは多くなるでしょう。そこで出会った人達から得るものは非常に多いはずだし、学生の頃の経験全てがプロのクリエイターにとって糧になってくるんだと思います。

※水崎氏の“崎”は正しくは“立ち崎”です
撮影:佐藤徹三

「人との出会いを大切にしてほしいですね」
「人との出会いを大切にしてほしいですね」

デジタルハリウッド株式会社

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圧倒的な創造性に磨きをかけて

VOL.1

圧倒的な創造性に磨きをかけて

多様化する3DCGクリエイターの役割

VOL.2

多様化する3DCGクリエイターの役割

斬新な発想を生むための極意

VOL.3

斬新な発想を生むための極意

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