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ミラノ - Life is design -
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第8回 (2)
Macefマチェフ ─ 2003秋





さて、その他のブースに目をやってみると、モダンデザインのブースにはいたるところにアジアの匂いがまだまだ感じられる。また工業製品ながらハンドメイドの風合いを出したものも多く存在していた。以前のような一過性の禅ブームは過ぎているが、それでも日本を含めアジアの人気は続いていると感じる。



【7】

アジアンミックスのスタイルを提案しているTAD(タッド)では、茶碗や急須に桜模様をあしらった和食器を新作として出してきていた 【写真7】。 ルイ・ヴィトンの村上隆の桜から始まった桜の人気は、こんなところにも登場してきた。作品はハンドメイドの風合いを残すような、ややざらついた表面の仕上げや彩色である。ヴェトナムで作られている漆器のトレイとあわせて展示されていた。このメーカーはインドのシルクを使ったクッションや雑貨類などを合わせて展示しており、どこの国と限定しないアジアのスタイルを提供している。タッドのセールス担当者は、『日本を含めたアジアのスタイルの人気は、ブームは過ぎ去ったが今も健在で、ブームにより魅了された人々が確実に存在する為、これからも続くだろう』と話していた。



【8】

陶器類に目をやってみると、COVO(コボ)というメーカーのETTO(エット)というネーミングのソルト&ペッパーが目を引いた(デザインは日本人デザイナーのKazuhiko Tomita カズヒコ・トミタ氏) 【写真8】。 さながらテーブルの上の小動物といったフォルムをしている。このメーカーはイタリア人と日本人のオーナーが経営しており、日本の和食器も手がけているが、最近ではオリジナルデザインのものを展開している。Rinascente(リナシェンテ イタリアの百貨店)やB&Bのショールームにも並べられており、順調な成長を見せているメーカーである。カズヒコ・トミタ氏のデザインしたくぼみの穴の陶器やカトラリー類は、PhilippeStarck(フィリップ・スタルク)のキッチンツールとは又違う魅力を持ち合わせているように思う。日本のエッセンスの入ったデザインとでも言おうか、柔らかく少しキッチュな感じがするフォルムに親しみを覚える。COVO社はその他にも、Setsu Ito(セツ・イトウ)、Shinobu Ito(シノブ・イトウ)の日本人デザイナーも起用しており、シンプルモダンな和食器、食器類の今後のオリジナルデザインの展開が期待される。


その他のモダンデザインブースの中にも、イタリア人デザイナーの作品に日本の陶器のようなものを見かけたりと、日本やアジアの影響が感じられるものがあった。ハンドメイドのような少しいびつな形、植物などのオーガニックな形など、数年前の直線のみで構成されていたミニマルな形の流行からは、新たな方向へと向かっているようである。


Macefは生活雑貨類、キッチン用品、といったように小物中心の見本市の為、また今までは年に2度開催されており、その内容と開催回数がいつも話題になっている。年2回の開催が多すぎる、また3月に開催されてから9月までという新作を作るまでの期間としては短すぎるため出展内容に変化があまり見られない、と言う声がよく聞かれる。実際、会場を回ってみて、出店しているメーカーの数の割に内容が今ひとつという感じを覚えてしまう。来場者も毎年減少傾向にあり、同時期に行われる他の見本市とどう差別化を図っていくかが今後の課題となりそうだ。




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