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2008 ミラノサローネレポート
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【 長谷川滋之 】ミラノサローネレポート



1300年もの歴史のある美濃和紙、かつてはイサム野口によってAkariシリーズが作られ世界中の人を魅了しました。
現在日本ではライフスタイルも変わり、和紙その物の需要や提燈・和紙照明のシェアが少なくなってしまいました。 今回も「1300years of history meets modern」という今までにないモダンな照明を、というコンセプトで和紙シャンデリアSakuraをデザインしました。

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Sakura 和紙シャンデリア 直径2m

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Sakura 和紙スタンド白 ベースは高山の春慶
今年のサテリテでは、「和紙を使うデザイナー」として名前を知ってもらおうということと、国内外での和紙照明や内装での一点ものの照明の仕事が頂けたらということで、2mもの大きなシャンデリアを展示しました。デザインには日本人の魂でもある、しだれ桜の木をイメージし、落水という伝統的な技法を使って20本の枝に2000個の桜の花をシャンデリアで表現しました。
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2000個の桜の花 アップ



制作には和紙職人と一緒に和紙の厚みや、透け方、紙の強度を調節し、ドラマチックな桜の枝を演出するためのフレームの
形状作りに時間をかけました。岐阜に移り住んだからこそ出来上がった作品だと思います。

今年も会場では沢山の人から高い評価を頂きました。特に、紙で綺麗な透き通る柄を作れるということ自体に驚かれた方が多数おられました。
イタリアにも和紙のような紙を作る文化はありますが、さすがは日本の伝統文化です。

期間中、沢山の現地建築家やインテリアデザイナーとの出会いがありました。その中から一つでも多くのコラボの話など進めていけたらと思っています。去年お話を頂いたプロジェクトもようやく進んできたので楽しみに思っています。前回同様サテリテでは、参加前には思いもつかない出会いや仕事のオファーなどを頂くことがあります。前回はクリスタルと提燈のコラボ、今回はアクリル板と和紙のコラボです。日本では考え付かないようなコンビネーションです。伝統工芸の関係者の中にはそれを邪道と捉える保守的な方も多くいらっしゃいます。もちろん伝統を頑固に守り抜く人も必要だと思いますが、和紙が一人でも多くの人や世代の日常生活に溶け込んで時代と共に進化し、次の世代に受け継がれていくことも大切な役割の一つではないかと考えております。これから和紙の更なる可能性を探っていけたらと考えております。

出展費等の問題など色々とありますが、もし来年も参加出来れば、3年目最後の集大成として1年間ゆっくりと開発した作品を陳列したいと考えております。特に来年は照明(今年はキッチン)の年でもありますので、さらなる海外マーケットの開拓に挑戦したいと思っております。
最後に参加に協力してくださった林工芸の皆様、来場してくださった皆様、いつも迷惑をかけている奥さんに感謝します。有難うございました。



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