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2007 ミラノサローネ特集
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三國 秀美+小山 志穂利 : 2007年ミラノ・サローネ モード化する家具
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攻めの白とグリッター

年々サローネは勢いを増し刺激的になってきています。広い会場はガイドブックを持っていてもまわるのには大変です。足をパンパンに腫らしながらまわった結果、今年は主に白と黒のモノトーンが主流であることを強く感じました。そして、街のショーウィンドーやファッション広告で怒涛のように光り輝くグリッターが家具にも取り込まれつつあり、それも流行の兆しをみせています。


会場正面のネームだけで素敵な雰囲気である

オラス社はアレッシー社のキッチンやバスルームなどの蛇口を提供しており、今回は、トルトーナ地区でそのコラボレーションを中心に発表。会場正面のネームだけで素敵な雰囲気である。


今年特に印象に残るイベントを見せてくれたのは、モザイク・タイルで有名なビサッツァ社です。会場にはシルバーの巨大な作品が展示されており、高級な中にも激しさがあり、ファンタジックな空間は夢の中のようでした。

今年のサローネはまさに「ナチュラル」「やわらかさ」「グリッター」「高級感」と4つの要素に分けることができます。ここではきらびやかさを前面に出した「グリッター」使いと「高級感」を漂わせる作品を見ていきます。人気の白は「高級感」が出るため、こちらのグループに入る作品が多いようです。 それぞれのポイントが融合され、どのブランドも心地良いコントラストを見せていました。


エントランスの水を使った演出。

エントランスの水を使った演出。1メートルくらいの高さのプールが出現し、水面では様々なデザインの蛇口が水を出している。バックのスクリーンで流れる映像と薄暗い会場が非現実的なインパクトを与える。


奥のガラスに囲まれたブースはライトアップされており、外からみるとブース自体が浮き出しているように見える。

奥のガラスに囲まれたブースはライトアップされており、外からみるとブース自体が浮き出しているように見える。トイレや風呂など水周りのプロダクトが展示されており、シンプルで洗練された印象である。



来年はグリッターから一歩先へ進み、宝石のようなきらびやかなクリスタルや透明感のあるビニール、プラスチックといったライトな素材をベースに、それらを複合した高級感のある素材使いが流行するのでは、と私は予想しています。21世紀は始まったばかり、と思っていたら世紀末のような退廃を秘めたゴージャス感が街に溢れるかもしれません。


ディエゴ・グランゼの《Onda sedu ta》は「A Dream Comes True」展にも展示されていた作品。

ディエゴ・グランゼの《Onda sedu ta》は「A Dream Comes True」展にも展示されていた作品。サテリテの広場に、時計の文字盤に見立てて白と黒のチェアが交互に配置されていた。人が集まっており、何やら楽しそう。座ってみる(というより、仰向けになる)とS字の造りのため、上下にスイングする。誰かに少し揺らしてもらうと更に楽しい。別名「はしゃぎ」と名付けたいほど、座るとテンションの上がってしまうチェア。




ドリアデ社から出たロン・アラッドの新作《CLOVER》はポリプロピレン製。

ドリアデ社から出たロン・アラッドの新作《CLOVER》はポリプロピレン製。白のクローバーがかわいらしい。内側にラウンドしているので座り心地も良く、極めてシンプルな作品。




カッペリーニ社のブースの中心は主に白で統一され白いソファーとジウリオ・カッペリーニデザインの大理石のサイドテーブル《BONG》が印象的。

ザノッタ社の新作《Evolution》はオラ・イトのデザイン。アルミニウム合金とポリウレタン製。色は白と黒があり、シャープな形が近未来を感じさせる。





モローゾ社の新作《vertigo》

カッペリーニ社のブースの中心は主に白で統一され白いソファーとジウリオ・カッペリーニデザインの大理石のサイドテーブル《BONG》が印象的。高級感のある中、ソファーの間からのぞくショッキングピンクの差し色で柔らかい印象に。


毎年作品に合わせた様々なライトアップと空間で演出がうまいエドラ社。

モローゾ社の新作《vertigo》はラウラ・アクイリ&エルジャン・アルバーグのデザインしたテーブル。サブタイトルに「the swinging table」とついているだけに不思議な曲線がなんとも言えない。






毎年作品に合わせた様々なライトアップと空間で演出がうまいエドラ社。

毎年作品に合わせた様々なライトアップと空間で演出がうまいエドラ社。新作であるカンパーナ兄弟デザインの革をふんだんに使用した《Leather Works》アームチェアは、高級感がありながらルーズな革のパッチワークがワイルドである。色は白、黒、茶系の3種類。


インガ・センペの《CHANTILLY》ハイバック・ソファ

インガ・センペの《CHANTILLY》ハイバック・ソファには、家具にあまり使用されることのないサテン生地が使われており、質感が面白い。赤、シャンパンゴールド、青紫、白と青のストライプなどのバリエーションがあり、色によって印象が変わる。同じくエドラ社。



カッペリーニの新作はラウンドした脚が面白い《RIBBON》チェア。

カッペリーニの新作はラウンドした脚が面白い《RIBBON》チェア。日本のNENDOがデザインした。ステンレスのフレームのみのバージョンと上にクッションの付いたバージョンがある。名前の通りリボンのように華奢な脚がユニークである。不安定な見た目とは裏腹にしっかりとしている。


アルテミデ社は近未来的な照明も多く出しているトップ・ブランド。

アルテミデ社は近未来的な照明も多く出しているトップ・ブランド。ショールームの入り口にあったライトはロス・ラブグローブの新作《Mercury sospensione Mercury soffito》。楕円形のランプが連なるシーリング・ライト。シャンパンの泡のよう。





カルロッタ・デ・ベヴィラクウァがデザインした《Tixa Xia2》

カルロッタ・デ・ベヴィラクウァがデザインした《Tixa Xia2》はライトを消した状態だとアルミのオブジェのように見える。ライトをつけるとカラーフィルターで幻想的な色になる。アルテミデ社。


カルロッタ・デ・ベヴィラクウァ《rigel》。アルテミデ社。

背面に二つスピーカーがついており、前面の色が変わるライト。音楽と光が融合した魅力的なインテリアである。カルロッタ・デ・ベヴィラクウァ《rigel》。アルテミデ社。


シーリング・ライト《orgia》。アルテミデ社。

アルテミデの社長でもあるエルネスト・ジスモンディがデザインしたのは、天井から溶け出したようなシーリング・ライト《orgia》。アルテミデ社。



近未来的な形の《trifluo》

近未来的な形の《trifluo》はフランコ・ラッジのデザイン。《orgia》同様に、青、緑、ピンク、白と色が変わり、ユニークでインパクトのあるデザインである。



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