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2007 ミラノサローネ特集
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長谷川 滋之 : Milano Slone 2007 Report !
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出展が確定したのが10月の終わり頃で、すでにサテリテ開催まで半年しかありませんでした。自分の場合、以前から興味のあった和紙の照明の出展を決めておりましたが、デザインの方はこれからという段階でした。
自らが岐阜出身ということもあり、地元の伝統工芸である美濃和紙を使った新しい照明を世界に発表していきたいと思い、岐阜のオリベデザインセンターさんに相談にのって頂いたところ、今回ご協力頂いた株式会社林工芸さんを紹介され作品制作が始まりました。

岐阜市の北にある林工芸さんは、昔から鉄鋼、塗装、木工、紙すき、組立まで和紙照明の制作の全工程を一貫して自社でやっておられる数少ない会社です。そんな林工芸さんだからこそ、短期間で良い作品を作って頂くことが出来ました。林社長を初め、制作担当の北川さんには心より感謝しております。


制作協力していただきました株式会社林工芸さん

制作協力していただきました株式会社林工芸さん



今回の出展のコンセプトは[1300 years of history meets modern]ということで、1300年もの歴史を持つ美濃和紙が、移り行く時代に対応し、洋の空間にも順応できるようなそんな和紙照明を作りたいと考えました。今まで色々と和紙の照明がありましたが、何処か和の空間を意識しすぎた物であったと思います。
ここ最近では、初めから間取りに和室が入っていないマンションも増えてきました。和紙の照明もその良さを残しつつ、時代に添うデザインに変わらなければいけないのではないかと考えました。


自然に恵まれた場所にある林工芸さんの工場

自然に恵まれた場所にある林工芸さんの工場



イサムノグチが美濃和紙を使って世界的に有名なAKARIシリーズをデザインしてから早くも50年、開発当時は葬式用の提灯と笑われていた照明も今では日本の照明の代表として定着しています。
岐阜で和紙の照明に携わっている方々と話すと、「イサムノグチは天才で別格、誰も彼を超えられない」とおっしゃいます。美濃和紙をすく職人さんは急激に減り、高年齢化になってしまっています。美濃和紙を扱う店や工場も激減しました。このままでは岐阜が誇る伝統産業の存続の危機です。岐阜出身の人間として少しでも何かの役に立てればと思いました。

又このデザインは自分の今までの経歴が大きく影響しています。海外生活で日本の素晴らしさを再認識し、木のモチーフはサラリーマン時代に北欧家具を扱っていた会社にいたためフィンランドやスウェーデンの影響を受けています。又一昨年の冬に自宅兼仕事場にある出窓から見える“けやき並木”に雪が積もり、黒い幹が一晩で真っ白な雪化粧をした風景に感動し、その感動を作品に表現できないか考えておりました。


和紙職人のゆきおさん

和紙職人のゆきおさん


制作担当の北川さん

制作担当の北川さん


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