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戦後の日本ファッション界に大きな影響を与えたイラストレーター 長沢節(1917-1999)の名著「デッサン・ド・モード」。1966年に初版、1979年に新版として刊行され、今回、四半世紀の時を経て新装版が発売された。
たくさんのデッサン画とともに、長沢節流のデッサンの描き方が紹介されている。デッサンを描くノウハウを事細かに教えるわけではなく、そもそもデッサンとは何であるのか、どのようにモノを見るのかを考えさせる内容だ。
長沢節が1965年に創設した「セツ・モードセミナー」は、飯野和好、森本美由紀、網中いづる、安野モヨコ、桜沢エリカなど多くの有名イラストレーターを輩出している。本書では、「セツ・モードセミナー」の前身である「節スタイル画教室」開校のきっかけや、手探りの教室運営、生徒が育ち活躍していく様子なども綴られている。
新装版に新たに収録されたコラムにおいて、森本美由紀は『何度読んでも読むたびに新しい発見がある。ほんとうにデッサンって奥深い。たくさん描いた後に読めば、その時にはじめてわかることもある。いまでもときどき読みかえしていて、プロになったからこそ理解できることも多いんです』と、本書について語っている。
イラストレーターに限らずクリエイティブに携わる多くの人にとって、 長沢氏の言葉は胸に響くものがあるだろう。
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