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浮遊的前衛

浮遊的前衛

東大博物館館長が説く展示にまつわるあらゆる論考

著者 西野嘉章
発行 東京大学出版会
仕様 A5 328頁
ISBN 978-4-13-080215-4
価格 6,825円 (税込)

浮遊的前衛

東京大学総合研究博物館という場で展示の可能性を追求し続ける著者の、思考と活動の記録。展示物、収蔵・展示の仕方、図録など、博物館展示にまつわるあらゆる論考を通して、見る/見せることへの疑問を投げかけ、領域横断的な想像力を立ち上げる。そして、そのような未知の「知」との格闘する「浮遊的前衛」としての態度こそが、学芸員としての生き方であり使命であると説く。『装釘考』や『西洋美術書誌考』などの著作で書籍デザインの歴史を開陳した、著者こだわりの装丁美にも注目。

【主要目次】
[第1部 展覧会]
歴史の文字:記載・活字・活版
東京大学:学問の過去・現在・未来
真贋のはざま:デュシャン(Duchamp)から遺伝子(DNA)まで
MICROCOSMOGRAPHIA:マーク・ダイオンの「驚異の部屋」
プロパガンダ1904-45:新聞紙・新聞誌・新聞史
国際協働プロジェクト「越境する精神、遊動する事物:グローバル・スーク」
東京大学コレクション:写真家上田義彦のマニエリスム博物誌
浮遊的前衛:中華独立美術協会と1930年代広州・上海・東京的現代美術
鳥のビオソフィア:山階コレクションへの誘い
維新とフランス:日仏学術交流の黎明
[第2部 雑纂]
美しき学誌財
心地良い展示空間を求めて
他12章

【著者】
西野嘉章(にしの・よしあき)
1952年生まれ。1983年東京大学人文科学研究科博士課程中退。博士(文学)。現在東京大学総合研究博物館館長/教授(博物館工学/美術史学)。
主要著書:『十五世紀プロヴァンス絵画研究』(1994年、岩波書店)、博物館工学三部作『博物館学』『大学博物館』『二十一世紀博物館』(1995年、1996年、2000年、東京大学出版会)、『装釘考』(2000年、玄風舎)、『ミクロコスモグラフィア講義録』(2004年、平凡社)、『チェコ・アヴァンギャルド』(2006年、平凡社)、上田義彦写真集三部作『CHAMBER of CURIOSITIES ―from the Collection of The University of Tokyo』『 ONE HUNDRED STONEWARES』『BIOSOPHIA of BIRDS(鳥のビオソフィア)』(2006年、2008年、2008年、東京大学出版会)、『西洋美術書誌考』(2009年、東京大学出版会)。他に共著書・翻訳など多数。
展覧会企画・図録:『東アジアの形態世界』、『歴史の文字』、『学問のアルケオロジー』、『真贋のはざま』、『チャペック兄弟とチェコ・アヴァンギャルド』、『マーク・ダイオンの「驚異の部屋」』、『プロパガンダ1904-1945―新聞紙新聞誌新聞史』、『グローバル・スーク』、『モバイルミュージアム』、『東京大学コレクション―上田義彦のマニエリスム博物誌』、『鳥のビオソフィア―山階コレクションへの誘い』、『維新とフランス―日仏学術交流の黎明』など。
受賞: 渋沢・クローデル賞(1994年)、竹尾賞(著者賞・デザイン賞)(2008年)、ディスプレイデザイン賞(最優秀賞・朝日新聞社賞)(2008年)

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