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第18回
家具の新ブランド 6jo

 update 2004.02.10

レポート : 浦田 薫 / アート&デザインジャーナリスト 




ジェイ・エル・エス社(以下JLS)が発信する家具ブランド6jo(仏読み:スィジョー)が、2004年1月のメゾン&オブジェ国際見本市でデビューした。

■ 新ブランドの確立
CDRA(Centre du Design Rhône-Alpes=ローヌ・アルプ デザインセンター)は、地元のフランス人デザイナーと工業を仲介する役割をする。本センターにプロジェクトを持ちかけたSIMONIN(シモナン)氏は、長年に渡り、日仏間とのビジネス経験を活かし、出身地でもある地元ローヌ・アルプ地方の活性化に貢献したいという思いを抱いていた。

「Local to Local事業」は、地場産業と地場産業を結ぶ新しいビジネスの在り方で、「LL事業」とも呼ばれる。実際のブランドの確立に辿りつくまでには、経済的な戦略面において、JETROとCDRAの多大な支援があり成立した。

本プロジェクトの設立には、香川県に工房を構え、ジョージ・ナカジマの家具を製作した桜製作所も関与した。そして、メゾン&オブジェ展でのブランドPRを担当したのは、フランスのDesign Projectだ。あえて、JLS社がフランス人にPRを全て任せたこともポイントでもあるといえよう。 【写真 1〜3 】


■ 6joのコンセプト
一人の人間が生活するために最低限必要な面積として想定したのが、6畳間。いわば、ワンルームという考え方である。このような条件下では、インテリアの在りかたも限定されてしまうと思い込んでしまいがちだが、難点を改善していくこともプロジェクトの一環である。

JLS社が発信していくブランドコンセプトは、日本のデザイン趣向を主張するのではなく、日本従来の暮らし易さの提案を掲げる。それは、日仏の生活様式や形態が異なる点に重視して、「和式」「洋式」という概念に囚われることが目的ではない。双方の文化が歩みよることで、互いの良い点を汲み取り、共通の問題意識を掘り下げていくことである。

ブランドの看板ともいえる6joのロゴは、顔のように見える。これは、ヒューマンスケールを尊重する気持ちが込められている。どんな空間条件においても、暮らしの中に快適さを与えることを優先する。





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【 1 】 ヒューマンスケールを意識したブランドロゴ
カタログを含むグラフィックデザインは、Hirohiko Kamiya

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【 2 】 SITTINGSのデモストレーションをするSIMONIN氏 ©Kaoru URATA

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【 3 】 右)JLS社の代表取締役 上出氏 左)design deux foisのJean Pierre TIXIER氏 ©Kaoru URATA


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