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ガラスのプレート

ガラスの色を楽しむ

色の組み合わせを楽しんでもらえるような、器やアクセサリーをつくっています。ガラスにはたくさん加工法がありますが、私が使っているのはキルンワークという、電気炉でガラスを焼成してつくる技法です。キルンワークはコストと時間がかかるので量産に向いていなくて、一般的には量産に向いた「吹きガラス」の技法を使うことが多いんです…。でも使いやすい器や安価な器はすでに世の中にたくさんあるし、使いやすさを第一にしないような器があってもいいんじゃないかと気付きました。

ガラスって“透明”とか”ツヤっとした質感”という印象があると思いますが、私は色も魅力のひとつだと思っています。“色を見せる”ということを作品をつくる上でコンセプトにしていて、他の素材にはないガラスの色幅に重点を置いて作品をつくっています。

平皿なのでそこまで使いやすくはありませんが、ものとしての魅力があって、器から「この器にはあのお菓子をのせてみたい」とか、素敵な料理やお菓子を見て「あの器に合うかも!」ってインスピレーションが湧くものになればいいなと思っています。

つくっているときはあまり人と会う機会がないのですが、展示でお客さまから「こういう風に使ってるんです」って写真を見せてもらったり、直接リアクションをいただけるのはうれしいですね。そういうことを重ねるうちにこういうものが喜ばれるんだなって直接わかるし、それが楽しいです。

■夏の過ごし方・思い出

ガラスの作品は見た目の涼しさもあって夏が売り時だと思いますが、つくる方としては制作中に電気炉を使ってとても暑いので夏は苦手なんですよね…。ただ苦手と言いつつ夏バテは全然しないんです。ずっと作業していると食が楽しみのひとつというのもあるんですが、夏は食べないと絶対バテるっていうのはわかっているのでたくさん食べています(笑)。

数年前、大学でお世話になった方の工房に通っていた時期があったんですが、その方のお父さんが畑で野菜をつくっていて、じゃんじゃん夏野菜が採れるのでたくさんもらっていました。消費できないくらいきゅうりをいただいて、ひたすらピクルスにして食べてました(笑)。東京で暮らしているとなかなか採れたてを味わうことはないですし、直接夏の季節を感じたのはその野菜を食べた時ですね。

八木麻子

東京都出身。武蔵野美術大学大学院造形研究科デザイン専攻工芸工業デザインコースを卒業。ガラス作家として活動中。

http://yagiasako.com/

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