あのヒトが選ぶ、BEST BUY 2017

佐藤ねじが選ぶベストバイ
“新しいパターンのノートを試しながらつくっていく”

iPad Pro

iPad自体は前から持ってはいたんですけど、なんんとなく使い方が中途半端だったんですね。自分の生活の中でのメインコンテンツがないとだんだん使わなくなり、雑魚扱いになるというか(笑)。かばんが重くなるしなあ……みたいな。

iPadProを買った理由は、とある打ち合わせでグラフィックデザイナーの友だちがApple Pencilを使ってメモしていたのを見て、試しに使わせてもらったら意外に書き心地がよくって。この書き心地を体験するとみんな買ってしまうっていう。僕もいろんな人におすすめして買わせましたよ(笑)。その後もみんな自分なりの使い方をしているので、結局は書き心地の部分だけ壁だったんですよね。細かな線が描けないとかはありますけど、デジタルのデメリットが意外となかったです。ちなみに、この前ノートでメモしてみたら使いづらかったです(苦笑)。「でか!」とか思いました。あと見開きの片側が浮くのことにすごい違和感が覚えましたね。当たり前なんですけど……。

ノートアプリはいろんなものを試してみて、「GoodNotes」がいちばん紙のノートに感覚が近くてよかったです。現状では、かなり細かくアイデアや案件ごとに分類して、たくさんのノートを使っています。紙のノートでのメモだと、どうしてもデイリーでしか分けられなかったのですが、打ち合わせの場では過去の履歴を辿りやすいですし、あとはコピペがデキるのがデカい!とりあえず2軍ノートにざーっと書き、考えた末の結果だけを1軍のノートにコピペできるのは便利です。iCloud driveで同期するようにしているので、デスクトップのPCやiPhoneでも共有できる、これがけっこう効くんですよねー(笑)。

プロジェクトもののノートは増やしてすぎてはいけない、増やすと続かない、みたいな常識があったんですけど、ノート界には(笑)。実験的にとりあえず新しいパターンのノートをつくったりして、試しながらまとめていくみたいなのがストレスがなくていいですね。

あと、ちょっとしたハックなんですけど、「GoodNotes」のデフォルトの表紙が画像だと気づいて、それは削除してモレスキンとツバメノートの画像に変えています。ブルーパドルのロゴを配したりして、自分だけのオリジナルバージョンをつくってみました。こうするだけでなんかテンションあがるじゃないですか(笑)。

■いま探しているもの・欲しいもの
モノに関しては物欲があまりなくなっていて……。いま興味があるのは、立体作品とかインスタレーションとか、たまりにたまったアイデアを出していきたいと思っているので、リアルな話をすると制作する場所ですね(笑)。『オラファー・エリアソン 視覚と知覚』という映画で、オラファー・エリアソンのデカいアトリエが出てたんですけど、いろんなものがそろっていて、オラファーのアイデアをすぐカタチにしてくれる人がいて、あれは理想ですね(笑)。

株式会社ブルーパドル代表 佐藤ねじ

株式会社ブルーパドル代表。アートディレクター/プランナー。1982年生まれ。愛知県出身。名古屋芸術大学デザイン科卒業。デザイン事務所を経て、2010年に面白法人カヤック入社。2016年7月に独立し、株式会社ブルーパドルを設立。デジタルコンテンツの企画・デザイン・PRを仕事にしつつ、「空いてる土俵」を探すというスタイルで、様々なジャンルの「ブルーパドル」を発見することを使命としている。代表作に『ハイブリッド黒板アプリKocri』『貞子3D2 スマ4D』『しゃべる名刺』『Sound of TapBoard』など。文化庁メディア芸術祭、Yahoo!インターネットクリエイティブアワード、グッドデザイン・ベスト100など受賞多数。

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